2017年11月6日月曜日

座間9人遺体事件「SNSに『死にたい』と書き込む人の心理とは」

 神奈川県座間市のアパートの一室で9人の遺体が見つかりました。この事件の容疑者と被害者との接点は、「自殺サイト」だと言われています。自殺をテーマにした掲示板やチャットではなく、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)、しかもTwitterでした。ハッシュタグ機能を使えば、同じ趣味嗜好の人とつながることができる。誰もが利用しているSNSが舞台になったため、今回の事件は衝撃を与えています。


■投げかけられる二つの問い

 私は1998年以来、インターネットと若者のコミュニケーション、居場所、自殺をテーマに取材を続けています。そのため、今回の事件でコメントを求められることが多くなりました。とりわけ「どうしてSNSに死にたいと書き込むのか?」という質問が多かったのです。


 ここには二つの問いがあります。なぜ「死にたい」とネットに書き込むのか。そして、その場がなぜ、SNSなのか。



「死にたい」と書き込む理由は人により様々です。程度の差はあれ、自殺願望を持っている人は、その瞬間的な感情を書き込むことで自分の心境を整理している場合もある。また、書き込むことで「誰かに話を聞いてほしい」という心理が働いていることもあります。


 自殺の話題は、現実(リアル)の人間関係では避けられる傾向があります。そのため、引かれないように現実では話さず、ネットに話し相手を求めるのです。また、現実に相談相手がいたとしても、納得がいくやりとりがしたい場合にはネットでつながりたいのです。

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