2015年12月20日日曜日

常識を覆す巨大ハイテク共同墓地に香港がざわめく


あの世でもハイテクの恩恵に授かれるってわけか。そうなのか?

世界有数の人口密度を誇る、香港。数世紀の間にわたって続く土地問題は有名な話です。地価が高騰し、新しい家を建てようにも場所がないこの街では、ほとんどの人は超高層ビル住まい。

香港の土地問題は、あの世に旅立った後も人々を悩ませます。そう、墓地が足りていないのです。

背景には高層ビルが立ち並ぶ、香港の(共同ではない)墓地

共同墓地の小さなスペースを確保するのでさえ、何年も待たなければならないとか。共同墓地といっても、お寺の片隅にひっそりと佇む日本の一般的なそれとはかなり違っています。蜂の巣のような納骨用のブースが数百、いや数千も壁一面に並ぶ、ビルなのだそう。なんだか香港らしいような。

共同墓地それ自体は世界の様々な国に作られています。特に土葬でなく火葬の習慣がある国ならやりやすいというもの。実はこの共同墓地、近年どんどんハイテク化しているのです。下の写真は東京のとある共同墓地。お墓参りのときには専用のアクセスカードで中に入ります。カードに登録された納骨堂、というか納骨ブースが明るくライトアップされる仕組みです。なんとも幻想的な雰囲気。



「お墓」のイメージが覆るようですね。さて、今年2015年に香港で建設案が出された共同墓地も、ハイテク設備が盛り込まれる予定。一体どんなお墓なのでしょう?

倉庫から墓地へ


その香港の墓地の名前は、Island Memorial Centre。AP通信のKin Cheung記者によると、この共同墓地建設には反対の声もあがったそうですが、Kerry Logisticsという貿易・物流会社が計画したもの。

Kerry Logistics社は自社の倉庫を改装し、10万人分を埋葬するスペースを持つ巨大なハイテク共同墓地を作ろうと提案したのです。


問題の倉庫の、現在の姿。いつか15階建ての巨大墓地になるのでしょうか


共同墓地にはテクノロジーが満載になる予定。EJinsightによると、墓参りの記録までできるとか。

この共同墓地は一見普通のビルに見えます。香港の一般的な共同墓地のように白黒の遺影で埋め尽くされるのではなく、遺影はスクリーンに映し出されます。訪れる人がそのスクリーンを点けたり消したりできる仕組みです。Kerry LogisticsのエグゼクティブディレクターであるWilliam Ma Wing-Kai氏曰く、一つひとつのブースの前にカメラを設置し、スマホ経由でどこでも死者に祈れるシステムを作るそう。

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