2015年7月29日水曜日

「新世紀エヴァンゲリオン」が変えた、90年代"深夜アニメ"を振り返る

最も古い「深夜アニメ」といえば、1963年9月から翌年2月まで放送された「仙人部落」(フジテレビ系)だろう。第8話までは水曜23時40分~、9話以降は日曜22時30分~の枠で放送され、当時としては異例の時間帯だった。
それから約30年が経ち、90年代にはあらゆる深夜アニメが登場した。2006年に「涼宮ハルヒの憂鬱」が放送されて深夜アニメは本格的にその市民権を得たが、今日はその少し前を振り返ってみよう!

■開拓者「銀河英雄伝説」と変革者「新世紀エヴァンゲリオン」
90年代深夜アニメの開拓者といえば「銀河英雄伝説」だ。同作品はテレビ東京の深夜帯で放送され、今なお根強い人気を持つ傑作SF。
「銀河英雄伝説」

多少グロテスクな描写はあるもののエロ要素は無く、"民主主義の理念とは何か"、"平和と戦争とは何か"など、おそらくその内容が子供向けではないと判断され深夜枠に置かれたのだろう。
筆者は同作品の大ファンだが、小学生には早いとしても全国の中高生がこの作品にもっと触れる機会があればな、と常々思う。この頃はまだ深夜アニメにそこまでの市民権は無かったが……。

しかしそんなアニメ界も、「新世紀エヴァンゲリオン」が1997年に深夜枠で再放送されたことをキッカケに大きく変化していく。
「新世紀エヴァンゲリオン」

テレビ東京で10年以上アニメ制作に携わってきた名物プロデューサー東氏は「2%が合格点とされる視聴率だが、エヴァは5~6%あり『深夜が行ける!』と思うようになった」と振り返っている。これをきっかけに、2000年代にかけて深夜アニメという一つのジャンルが出来上っていく。

■伝説的番組「ワンダフル」
「ワンダフル」(TBS系)は1997年から2002年頃まで放送されていた深夜番組。この時代の番組なのでエロ要素もあったが、「トゥナイト2はちょっと刺激強いし罪悪感あるけど、ワンダフルなら……」と当時のちょいワル子供たちを魅了して止まなかった(はず)。
なかでも「ワンダフルアニメ」という10分間のアニメコーナーは爆発的人気となった。「行け! 稲中卓球部」や「セクシーコマンドー外伝 すごいよ!! マサルさん」、「浦安鉄筋家族」など、人気が高いながらも当時独立したアニメ番組としては放送し辛いとされた作品をアニメ化したため、反響が大きかったようだ。
「浦安鉄筋家族」

オープニング曲として使われたV系バンドのペニシリンを、マサルさんで知った人も多いのでは? 

■バラエティ豊かなラインナップ
90年代を振り返ってみれば、「ベルセルク」から「同級生2」、「OH! スーパーミルクちゃん」まで、深夜アニメはとにかく濃かったと思う。

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