昨年、「Facebookが私たちを不幸にする」という見出しがあちこちで見られました。多くの人と同じく、あなたも、「あながち間違ってはいない」と思ったことでしょう。当時、ミシガン大学が行った研究で、Facebookを使うほど、そのときの幸福度や、生活全体の満足度が低下することが示されたのです。
しかし、事態はもっと複雑のようです。テキサス大学オースティン校の研究では、正反対の結論が出されました。Facebookを使うと、社会への信頼や参加の感覚が増し、より幸福になるというのです。これは、どういうことでしょうか?
タイムラインを眺めているだけだと孤独になるFacebookデータサイエンスチームの研究科学者、モイラ・バーク(Moira Burke)氏は、問題はFacebookそのものではなく、その使い方にあると言っています。バーク氏の研究で、ソーシャルメディアへの受け身の参加、つまり、他人のやりとりを観察するだけで、自分は積極的に参加しない態度が、孤独感を増幅させることがわかったそうです。
一方、チャットやメッセージ、投稿へのコメントなど、直接的なコミュニケーションを積極的にとれば、むしろ幸福度は高まることがわかりました。今年のはじめ、前述のミシガン大学の研究者たちがフォローアップの研究を行ったところ、バーク氏と同じような結論に至りました。
友人の投稿に積極的に関わり、自分の生活もシェアするべし
科学的心理学会の年次総会で、ミシガン大学の研究主任で心理学者のイーサン・クロス(Ethan Kross)氏は、Facebookを使うこと自体は幸福にとって害とはならないが、ただ「眺めているだけ」だと害になりうる、と説明しました。同大学の最初の研究では、被験者たちに1日3回、アンケートのメールを送り、感情的な幸福度について答えてもらいました。今回の研究では、被験者を研究室に何度か呼び、それぞれのFacebookアカウントを指示されたやり方で使ってもらい、経過を観察しました。
すぐに明らかになったことは、被験者が写真の共有、ステータスの更新、友人へのメッセージなど、Facebookを積極的に使った場合は、1日を通して感情の変化は見られませんでした。一方、自分は積極的に参加せず、投稿された写真や、ほかの人の会話をただ眺めていただけの人は、ネガティブな気分に陥りました。
ここからわかることは非常にシンプルです。…
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