2014年5月29日木曜日

グーグルの自走車が失敗する理由


そもそも車って。

グーグルが完全自走車のプロトタイプを発表しました。これでいつか交通事故がなくなるかも!人間は運転の作業から解放されるかも!と夢はふくらみますが、米Gizmodoの兄弟サイト、Indefinitely Wildのウェス・サイラー記者は、そんな夢に疑問を呈しています。

以下、サイラー記者どうぞ。

***

自走車って、夢みたいですよね。欲しくならない人がいるんでしょうか? でもグーグルが目指すところを知ると、そんなに良いアイデアとも思えなくなります。理由はこうです。

グーグルが自走車を作ったのは、ある大きな理由のためだと言います。それは、安全性です。車の運転に関わるチェーンから「人間」という一番低性能なリンクを取り除くことで、道路の安全性を劇的に向上できるとグーグルは信じているのです。

兄弟サイトJalopnikのエディター、デモン・ラヴリンクは希望を込めてこう書いています。「米国では毎年交通事故による死者が3万3,000人いる。グーグルがこれを減らせるとしても最初は全体の0.01%程度かもしれない。でも20年後にはもっと普及しているとすれば…」

交通事故原因について非常に深く分析した米国の1979年の論文によれば、「人間のミスや無能さ」が交通事故原因の90%を占めています。英国で行われた研究でも「交通事故原因の88~89%が人為的ミス」とされているので、米国人だけが無能なわけじゃないと考えられます。結論は明らかで、道路においては、人間こそ人間の敵なのです。

今月、グーグルの自走車プロジェクトリーダーのクリストファー・アームソン氏が、プロジェクトのゴールについて個人的な考えを明かしました。ニューヨーク・タイムズの取材に対し、彼は自分の息子が16歳(米国の多くの州で運転が許可される年齢)になる2019年までに、自走車を販売できればと語ったんです。

でもアームソン氏が息子の安全を考えるなら、そもそも車に乗らないのが一番です。そうすれば、彼の車の周りにいあわせるであろう歩行者とか自転車などなどの人も安全でいられます。車とは根本的に危険なもので、それは自走車にはどうしようもない問題なんです。これこそ、自走車が失敗するであろう理由です。

グーグルはこのプロジェクトに関し、投資した累積金額とか今後の見通しを明らかにしていません。でもJalopnikデモンによれば、今回発表された10台ほどあるプロトタイプは、レクサスやアウディ、トヨタの既存の自動車をレトロフィットしたもので、それぞれ「25万~30万ドル(約2,500万~3,000万円)相当の設備」を搭載しています。

0 comments:

コメントを投稿