2017年11月1日水曜日

ツインバード工業社長、V字回復までの“苦悩”を語る

 新潟発の家電メーカー、ツインバード工業――。「くつ乾燥機」や、360度首が回転する扇風機「PIROUETTE(ピルエット)」など、ユニークな家電を次々と展開し、ここ数年売り上げを伸ばしている(2016年の売り上げは約134億円)。

 そんな同社だが、実は2000年代初期は5期連続赤字の苦境に陥り、会社は倒産寸前だったという。どのようにして同社はその苦境を脱したのか。その時、リーダーはどんな決断をしたのか。V字回復の立役者である野水重明社長に話を聞いた。

●カリスマ経営の破綻

 ツインバード工業は2017年10月、今まで生産していなかった白物家電のシリーズを発表した。新商品は「10分で全工程を終えられるモードを搭載した全自動洗濯機」「冷凍庫がスペースの半分を占める冷蔵庫」だ。

 野水社長は、柔和な笑顔で商品の狙いを語った。「現在はモノが余っている時代です。消費者はできるだけ自分のライフスタイルにぴったり合ったモノがほしいと考えます。だから当社は、時間がないから洗濯はスピーディーに、料理も冷凍食品を多用したい、と考えるユーザー向けにこれらを開発しました。当社は『ライフスタイル家電メーカー』なんです」

 同社は昭和から平成初期までは、小型家電をとにかく安い価格で提供するビジネスモデルで勝負していた。野水重明社長の父である野水重勝氏がメッキの下請けから発展させ一代で築いた事業であり、読者のなかにも家電量販店で「安い」と手にとったらツインバード製だったという経験をお持ちの方は多いだろう。

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