2017年7月21日金曜日

「出戻り人事」パナが樋口専務に頼る事情

社費で留学しながら、帰国後にすぐ外資へ転職した「不義理」の人間を、たった4人の代表取締役の1人として呼び戻す――。今年4月、パナソニックは日本マイクロソフトの元社長・樋口泰行氏を、代表取締役兼専務役員として招いた。樋口氏はパナの元社員。約25年ぶりの古巣復帰となる。樋口氏は、6月19日に報道関係者との懇談会を開いた。「出戻り」の理由を、樋口氏はどう語ったのか――。
■外資系を転々としダイエーの再建に尽力
「"出戻り"や"異例の人事"という報道もあるが、私自身もびっくりの人事である。日本の伝統的な企業で働いた経験があると、最後は日本の企業で働きたいと考えるケースも多いようだが、さまざまな理由でなかなかそうはいかない。そうした人たちにとって、1つの例になればいいという気持ちもある」
パナソニック専務役員で、社内カンパニー「コネクティッドソリューションズ(CNS)社」社長の樋口泰行氏は6月19日、東京・有明にあるパナソニックセンター東京の会議室で報道関係者と懇談会を開き、こう話し始めた。
樋口氏の経歴は、実に多種多様で、「渡り鳥人生」といってもいいだろう。1980年に大阪大学工学部を卒業後、松下電器産業(現パナソニック)に入社。配属先は溶接機事業部で、アーク溶接機の設計を担当した。その後、情報機器事業部に異動し、IBMのワークステーションのOEM事業を担当する。奇しくもその2つの事業部は、樋口氏が現在担当するCNS社に所属している。

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