2017年7月3日月曜日

「アリペイ」が中国社会に与えたインパクト

 日本のモバイル決済普及率は6%――日本銀行が6月に発表した、こんな数字が話題になった。FeliCaなどモバイル決済機能があるスマートフォンの台数は増加しているものの、増加テンポはSuicaなどのカード型電子マネーの発行枚数の伸びを下回っているという。

 しかしこの普及率の低さを「意外」と思うビジネスパーソンは少ないだろう。政府は2020年に向けてキャッシュレス化を進めようとしているが、現金の流通額はむしろ増えている。ATMの多さなど、既存の金融サービスの利便性が、かえってモバイル決済の"壁"となっている。

 それでも、モバイル決済で頭角を現すプレイヤーはいる。例えばLINEの「LINE Pay」は、メッセージアプリ「LINE」を起点としたプラットフォームを生かし、積極的に展開している。17年5月に実施した「みどりくじキャンペーン」や香港での取り組みが功を奏し、飛躍的にユーザー数と流通額を増やした。5月時点で登録ユーザーは全世界で3800万人(日本は3000万人)、流通額は78億円を突破した。Origamiの「Origami Pay」も、主要銀行やクレジットカード会社と提携し、導入店舗を着々と拡大。ファストフードチェーン、コンビニ、ショップのほか、タクシーなどでも利用できるようになってきている。

 とはいえ、これらのモバイル決済は、多くの消費者にとってはまだ一般的な決済の選択肢には入っておらず、「普及が進んでいる」とはとても言えない。

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