2017年6月28日水曜日

「Windows 10 S」を機能不足と見るか、セキュアと見るか

 米Microsoftが5月2日(米国時間)に発表した「Windows 10 S」は、教育機関向けにWindows 10 Proの機能を限定した新エディションだ。ただし、「WindowsストアからダウンロードしたUWP(Universal Windows Platform)アプリしかインストールできない代わりに、高速かつ安全性が高い」という話以外、あまり内部情報が積極的に公開されていないので、実体がよく分からないかもしれない。

 同OSに関する分析記事を以前に公開したが、機能制限版のWindows 10ということで「Windows 8.1 with Bing」のような廉価PC向けのマーケティング施策的な性格を持つ一方で、いわゆる野良アプリの導入ができず、マルウェアの侵入もブロックする可能性が高いことから、非常にセキュアなOSの側面もある。

 例えば、米Microsoftが公式ブログのWindows Security Blogで6月8日に公開した記事では、同社がWindows XP向けの緊急パッチを提供したことで話題になった「WannaCry」というランサムウェアに触れているが、この中で「Windows 10 Sで発動するランサムウェアは確認されていない」と述べている。

●Windows 10 Sで利用が制限されるもの

 Windows 10 Sに関する大前提として、まず「Windowsストア経由でダウンロードしたUWPアプリのみがインストール可能」ということが挙げられる。

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