2017年6月30日金曜日

<神戸市>アニメストリート2年で撤退に「反省」

 阪神大震災からの復興を目指し、神戸市長田区のJR新長田駅南地区に建設された再開発ビル「アスタくにづか3番館」に2015年3月にオープンした、アニメやサブカルをテーマにした商店街「神戸アニメストリート」が30日閉館する。2年余りでの早すぎる撤退に、多額の補助金を無駄にした神戸市の責任は避けられない。【栗田亨黒川優

 市によると、街の活性化を目指し、地元商業者主体の「くにづかリボーンプロジェクト」がスタート。市も後押ししようと、市所有の空き区画を利用し、「POP&サブカルチャー」などをテーマにモデル事業として2014年に事業者を公募した。唯一応募した不動産会社を提案事業者として選定し、市が事業委託契約を締結。同社が運営会社を誘致してきた。

 開業に際して、市は出店者誘致や内装工事など計約6000万円を事業費として支出。初年度には運営会社の家賃約710万円を負担した。しかし、不動産会社と市の契約はオープンした15年3月末まで。オープン後は運営会社に任され、市は事業報告すら受けていなかった。

 アニメストリートにはアニメフィギュアの展示スペースやカフェ、撮影スタジオなどが入居。当初はイベントの来場者が1万人を超えるなどにぎわいを見せたが、徐々に客足が遠のいた。運営会社の社長は5月中旬、毎日新聞の取材に「イベントを打つ経営体力が切れてしまった」と振り返った。

 市もてこ入れのため、昨年3月にアニメ制作会社「ガイナックス・ウエスト」を誘致したが、期待のアニメ制作は始まらなかった。

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