2017年6月20日火曜日

キユーピーがAI導入、1日100万個以上のポテトをさばく「ディープラーニング」の威力

 1日100万個以上流れるダイス型のポテトを1つ1つ、人の目で見分け、異物混入や不良品がないか確認していた――にわかに信じ難い話かもしれないが、これは実際に、大手食品メーカー、キユーピーの工場で行われている原料検査の作業だ。

 「画像処理技術などを使った機械化を長年検討してきましたが、精度やコストの面で現実的ではありませんでした」

 こう話すのは、キユーピーの生産本部で次世代技術担当次長を務める荻野武さんだ。ベビーフードの品質と"安心"を支えるために行われている業務ではあるが、スタッフの人海戦術では限界が来ており、増産のボトルネックになっていたという。そんな状況が今、「ディープラーニング(深層学習)」で大きく変わろうとしている。

●膨大な原料検査にブレイクスルーを起こす「ディープラーニング」

 キユーピーは原料検査の基準を厳しく設定している。特にダイスポテト(さいの目状にカットされたジャガイモ)の場合、単なる変色など、食べても問題ないようなものでも、取り除くようにしている。そのため、スタッフには技術と高い集中力が必要になるのだという。

 「害はなくとも、やや黒ずんだジャガイモが混じっていたらお母さんは心配に思いますよね。それは"安全"かもしれませんが、"安心"な商品とはいえません」(荻野さん)

 しかし、当時採用していた画像認識システムでは、精度やコスト面で折り合いがつかない。そこで荻野さんが目を付けたのが人工知能AI)だった。

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