2017年4月11日火曜日

源ノ明朝には縦書き用の"かたち"がある - フォントデザイナーが語る制作秘話

アドビは10日、同社とGoogleが共同開発したフォント「源ノ明朝(英語名:Source Han Serif)」の記者説明会を実施した。

「源ノ明朝」は、Pan-CJK(中国語、日本語、韓国語)書体ファミリーで、2014年に同様の座組みで生み出された「源ノ角ゴシック」と同一ラインナップの新フォントだ。オープンソースフォントのため無料配布されており、端末やアプリへの組み込みも許可されている。

源氏を彷彿とさせる特徴ある名称で話題となったが、源は英語名のSourceから引いた語。チーフタイプデザイナー・西塚涼子氏によれば、一時はそのままカタカナで書き下した「ソース」をフォント名称に用いる案もあったが、「ソース明朝」は"焼きそば"など別の印象を与えてしまうと抗議、1年以上の時間をかけて協議した結果決まった名前なのだと明かした。中国、韓国でも別の名称がつけられている。

○デジタル時代に用いる明朝体としてのデザイン

デジタルフォントは言語ごとに購入するのが一般的だが、複数言語を同時に記載する場合、多言語のフォントを混ぜることで太さ・かたちのばらつきが起こってしまっていた。シニアマネージャー 山本太郎氏は、「デザインが統一された多言語対応フォントへの需要はかつては少なかったが、現在はSNSの発展で不意に別の国の人からメッセージを受け取ることも日常化しており、国際的な文字環境が必要とされている」と語った。

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