2017年2月8日水曜日

エプソン、国内プリンタ事業拡大へ大勝負

 セイコーエプソンおよびエプソン販売が、大容量インクタンクを搭載した新製品を3月2日から発売する。

 発売するのは、エコタンク搭載モデルの「EW-M770T」。初めて日本市場専用に開発した大容量インクタンクモデルであり、従来のインクカートリッジで収益を得るビジネスモデルとは異なる仕組みを採用したものだ。エプソンにとっては、国内におけるプリンタ事業の転換に大きな一歩を踏み出すものになると言えよう。

●驚きの反撃策

 エプソンの大容量インクタンクモデルは、2010年10月に、インドネシア市場に投入した「L100」および「L200」が最初だ。

 かつては、インドネシアでも、日本と同じようにプリンタ本体を低価格で発売し、インクカートリッジで収益を獲得するというビジネスモデルで展開。日本よりも安い50ドル前後の低価格製品が主力となっていた。

 ところが、サードパーティの互換インクの利用が主流となっているばかりか、エプソンのプリンタを改造し、独自に大容量のインクタンクを取り付けて再販するというビジネスが広がり、インクで稼ぐという仕組みでは収益が確保できないという状態に陥っていた。特に、エプソンのプリンタの場合、独自のマイクロピエゾ技術を採用し、これが耐久性の面で高い評価を得ていたことから、大容量インクタンクを取り付けて再販するというビジネスには格好の製品になっていたのだ。

 そうした状況を見かねたエプソンが決断した一手は、自ら、再販業者をまねて、大容量インクタンクモデルを発売するという驚きの反撃策だった。

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