2017年2月8日水曜日

<シャープ>米国に液晶工場検討 今年前半にも着工

 台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業傘下で経営再建中のシャープが、米国に液晶パネル工場を作る検討を始めたことが8日、分かった。早ければ今年前半にも着工し、米テレビ市場などへのパネルの大量供給を目指す。

 シャープ首脳が明らかにした。トランプ米大統領が製造業の国内回帰を訴えていることを受け、鴻海の郭台銘会長は先月、約8000億円を投じて米国に液晶パネル工場を作る意向を示していた。鴻海は液晶の技術力で劣るため、高度な液晶技術を持つシャープが主導して工場建設に乗り出す方針に転換した。

 シャープ首脳は「日本企業のサポートを受け、早めに進出したい」と語り、安倍晋三首相が今週末に訪米するのに合わせ、国内メーカーと連携して米国投資を加速させたい意向を強調した。工場建設の資金についても鴻海以外の企業から協力を得たい考え。

 経営危機に陥ったシャープは昨年1月、米国でのテレビ生産・販売から撤退。ブランドライセンスを中国企業に供与したが、鴻海から派遣された戴正呉社長はブランドを取り戻した上での事業再開を狙っている。中国や韓国などに集中する液晶パネル工場を米国に築き、トランプ政権の保護主義的な政策を追い風に、米国でのテレビ向けなどの販売拡大を図る。【土屋渓

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