2017年1月17日火曜日

弁護士が語る、ネット上の“引用”NGライン

昨年末、何かと話題になったキュレーションメディア。その論点の一つが"引用"の問題だ。この"引用 "にまつわる問題は、こうしたキュレーションメディアに投稿しない人でも、FacebookやTwitterなどのSNS利用の際にネット上に掲載されている記事や画像を投稿することで起こりうる。では、NGの線引きはどこにあるのか?

そこで、著作権関連の業務を多く手掛けるTMI総合法律事務所の柴野相雄弁護士、稲垣勝之弁護士に引用のルールについて話を聞いた。

「著作権法32条1項では『公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならない』とされています。この要件を満たせば、著作者の同意がなくとも引用できるルールなんです。ネット上の文章や画像は『公表された著作物』に当たるため、キーとなる部分は『公正な慣行に合致するもの』と『目的上公正な範囲内』の2点です」(稲垣弁護士)

この条文が当てはまることを想定している典型的な場面は、論文などで自分の学説を広めたい時に、その学説を補強する目的で第三者の論文の一節を引用することなどが挙げられる。ブログやSNSでの引用に関しては、引用の目的、態様、必要性、著作物の種類、分量など、様々な事情やその場の状況に応じて公正さの度合いや目的が異なるため、NGの判断が難しくなるといい、弁護士から見ても明確なラインを引くことは簡単ではないそうだ。

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