2017年1月30日月曜日

AIが書く小説はつまらないけど、代替可能な記事はすでにある 第2回(全4回)<新春対談3>

「文学×メディア」の今後を占う第2回。前回の「国家」や「政治」に続く重要なキーワードは「テクノロジー」です。AI人工知能)作の小説の話から、「WELQ」問題、社会のAI化、創作世界で無視できないムーブメントまで。あらゆるジャンルの融合や越境は、私たちの意思と別のところで、怒濤の勢いで進み続けているようです。

(構成:漆原直行 写真:岡村大輔

■■キュレーションメディアは積極的にAIに任せていいのかも

仲俣 2016年の動きから未来を占う、という観点でいうと、AIブームも見逃せないと思っています。AIに小説が書けるのか、AIが東大に受かるのか、シンギュラリティ(加速度的な変貌が起こり始める特異点)が何年に来る、AIが人間の仕事を奪う……など、メディアや創作に関する景気の悪い話の半分くらいは、要するに「もう人間は必要なくて、AIでいいんじゃないか」みたいな「ポストヒューマン」的な論調が関わっていたと思うんです。

速水 かもしれませんね。

仲俣 星新一賞に応募された、AIを使って書いたという小説は、読んでみたけれど、正直、とくに面白いものじゃなかった。そもそも、面白さを目的としているわけではないのでしょうけど。
 また、東大合格を目指していたAI「東ロボくん」は、どうも国語の成績が悪くて、プロジェクトが一時凍結になりましたよね。当面、文芸に関係する世界は、コンピュータ的なものに全部は置き換えられない領域になるだろうという希望がほの見えたように感じます。

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