2016年12月29日木曜日

ブーム一段落、ポケGO功罪=評価、拒否反応も―自治体や観光地

 スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(ゴー)」。今年老若男女に大流行したが、ブームは一段落したかに見える。自治体や観光地などは地域振興や訪問客増を期待したが、もたらしたものは功罪両面あり、好意的に受け止める所もあれば、拒否反応も残った。

 砂丘を「解放区」と宣言し、「街中と違って安全に楽しめる」と呼び掛けた鳥取県。県によると、夏休みには昨年より3万人以上多い18万人余りが訪れ、近くの土産物店の売り上げは2割増えた。ポケモンを探して隅々まで歩く人が多かったといい、県広報課は「砂丘内の名所以外の場所も知ってもらえた」と評価。最近の人出は平年並みに落ち着いたが、「ゲームを機に、再び来てもらえるアイデアを練りたい」と話す。

 大阪市の千林商店街は、商店街予算で購入したポケモンを呼び寄せるゲーム内の道具を利用して、7、8月の土日に客を集めるイベントを展開した。普段少ない若者や家族連れが増え、倍の客数を数えた店も。商店街振興組合事務長の岡田浩二さん(47)は「商店街をアピールできた」と満足げ。客足は元に戻ったが、「ゲームがリニューアルされブームが再燃すればまたやりたい」と期待している。

 一方、静岡市の観光名所「三保松原」では、路上駐車や騒音などの問題が発生。市役所には住民の苦情が殺到、警察も頻繁に巡回した。結局市は、住宅街近くにあったポケモン同士を戦わせる「ジム」などのスポット削除を運営会社に申請して、混乱を収束させた。対応に奔走した市観光交流課の職員は「観光効果もあったかもしれないが、本当に大変だった」と、もうこりごりといった様子。 

0 comments:

コメントを投稿