2016年8月21日日曜日

<h1 itemprop="headline">VRで74歳男性に「なって」みる――テクノロジーが広げる高齢者医療の世界

 医者にかかったとき、病状を口で説明するのが難しかったり、診察後に「先生は私がどんな気分か本当に分かってくれただろうか」などと思ったりしたことはないだろうか。

 特に歳をとってからの病気は若いときより症状が複雑化する上、心理的、社会的にも特有な問題をはらむといわれている。限られた診察時間内で、孫ほどの年齢の医者に、病状に加えてそれを取り巻く問題までを把握してもらうのは難しい。

 米国シカゴ州のEmbodied Labs(エンボディード・ラブス)は、こうした年配の患者と医者のギャップを埋めようと「We Are Alfred(ウィ・アー・アルフレッド)」を生み出した。

●VRを使って、患者本人に変身

 「ウィ・アー・アルフレッド」では、アルフレッドという名の74歳の男性の世界を、主観的に垣間見ることができる。簡単にいえば、老人に変身するということだ。これを可能にしたのは「VR」の技術。リープモーション・デバイスが組み込まれたオキュラスリフトDK2を用い、ユーザーには周囲360度のVRを提供、そこで自らの手を動かすこともできるようになっている。

 アルフレッドは加齢黄斑変性を患っている。これは年齢の上昇に伴い、網膜の中心にある黄斑に支障が出て、ものが見えにくくなる目の病気で、欧米人に多い。そしてお年寄りにありがちな難聴も患っている。ごく平均的な70代の米国人であるアルフレッドになって"見る"、生活とはどんなものなのだろうか。

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