2016年2月12日金曜日

ニッチながら37万円の最上位機が予約1位 「Surface Book」は計画通りか

 日本マイクロソフトは「Surface Book」の国内販売を2月4日に開始した。本稿では筆者が実機に触れて注目したポイントをまとめつつ、Surface Bookが狙う市場について考えてみたい。

●Surface BookをSurface Bookたらしめている部分

 Surface Bookの大きな特徴としては、以下の2つが挙げられる。

・2in1のタブレット部とキーボード部の切り離し機構

・dGPU(外部GPU)により、キーボード装着時は高性能ノートPCとして利用可能

 Surface Bookは、タブレットとキーボードが合体した状態では一般的なクラムシェルノートPCと区別がつかない外見だが、特に既存の2in1型タブレットの競合製品とは大きく異なる点が幾つかある。

 まずはインタフェースの配置だ。2in1のタブレットではキーボードなしの単体でも使いやすいように、USBなど幾つかのポートをタブレット側に配置した設計が多い。しかし、Surface Bookではヘッドフォンを除く端子をキーボード側に集めており、これだけを見れば2in1のタブレットには見えないだろう。

 次に特徴的なのが、キーボードの着脱機構だ。PC本体にあたるタブレット部とキーボード部は「マッスルワイヤー」と呼ばれる電気式ロックで結合されており、非常に頑丈な作りとなっている。

 タブレット部とキーボード部の取り外しは、キーボード右上のボタンを長押しか、タスクトレイ上のアイコンをタップすることで可能だ。取り外しの操作をすると、一瞬間があって準備が完了するとロックが解除され、キーボードを取り外せるようになる。

 取り外しの操作をしたときには、「タブレット側にバッテリー残量があるかどうか」と「起動中のアプリがキーボード側のdGPUを使っているかどうか」の2つをチェックしており、どちらかに問題がある場合は警告が表示され、いきなり取り外すことはできなくなっている。

 もしタブレット側のバッテリー残量がない場合、取り外した瞬間にOSが落ちてしまうという問題がある。動作中のアプリがdGPUを使用している場合、その動作に不具合が発生する可能性が高い。Surface Bookにはこの2つのトラブルを防ぐ仕組みが盛り込まれており、他の2in1型タブレットと大きく異なる点だとMicrosoftは説明している。

 実際にどのアプリがdGPUを利用するかは、MicrosoftとdGPUの供給会社であるNVIDIAの間で「ホワイトリスト」が作成され、これに準拠したもののみがデフォルトで起動時にdGPUを自動選択するよう決定されている。

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