2015年12月17日木曜日

『music.jp』をユーザー本位のサービスに生まれ変わらせた新ワークフロー「UX決裁」って何だ?


(左から)エムティーアイ ユーザーセンタードデザイン部インフォメーションアーキテクト 椎根史浩氏、ヘルスケア事業本部 事業企画部部長 堀口麻奈さん、ユーザーセンタードデザイン部ディレクター 宮地存氏

music.jp』は、2004年3月にガラケー向けの着うた配信サイトとしてスタートした、エムティーアイが開発・運営する老舗音楽サービスである。

10年を超える歳月を経て、今では音楽はもちろん、書籍や動画の配信も行う総合コンテンツ配信サイトへと生まれ変わった。

市場に合ったサービスへと変身を遂げるためには、その裏側で、サービス設計に対する考え方や、それを実現するための手法も大きく変えることを迫られたという。

ユーザー本位のサービス設計を実現するためにエムティーアイが独自に作成し、適用した新しいワークフロー、通称「UX決裁」とは何か?
スマホ時代に適応するため老舗音楽サービスが迫られた決断
ユーザーを中心に据えたサービスの再設計が求められたエムティーアイ。堀口さん以下UCD部のメンバーは、HCD-Netのセミナーに通うなどしてゼロからUXに関する知識を学んでいった

改革を中心で進めたユーザーセンタードデザイン部(以下、UCD部)部長の堀口麻奈さん(当時。現在はヘルスケア事業部、事業企画部長)によれば、ガラケー向けコンテンツを制作していた当時、エムティーアイはまだ、ユーザーを中心に据えてサービスを設計する意識が希薄だった。

ガラケーというプラットフォームの性質上、各キャリアの意向に沿ってさえいれば、サービスが伸び悩むことはなかったからだ。

「しかしスマホ時代になり、一気に自由度が上がったことで、私たちはユーザー数の伸び悩みという明らかな壁にぶつかりました。社内でも3年ほど前から、ユーザーを中心に据えてサービスを再設計する必要性が議論されるようになりました」(堀口さん)

そのための手法を学び、社内で広めていく役割を任されたのが、当時はまだ制作センターという名前だった現在のUCD部。堀口さん以下のメンバーは、HCD-Netのセミナーに通うなどして、UXに関する知識をゼロから身につけていった。

だが、従業員数800人近い会社で、約30人のUCD部が草の根的に文化を広めていくのには限界がある。そこで堀口さんは事業部側のトップに掛け合い、UXを重視した新しいワークフローをトップダウンで導入することを提案した。

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