2015年12月24日木曜日

うまく手を抜きながら、効率的に働く方法

「常に100%の力を出せてこそ一流といえる」というような言葉は、ビジネス書やウェブサイトなど、さまざまな場所で目にすることができます。しかし、逆に「手抜きを仕事に活用してこそ一流」だと断言するのは、『すごい手抜き - 今よりゆるくはたらいて、今より評価される30の仕事術』(佐々木正悟著、ワニブックス)の著者。

「ここぞというところで力を発揮する」ことができるのは、逆に言えば「ここぞというところ以外で手を抜いている」とも言えるはずです。(中略)「いつも100%の力を発揮しているが、ここぞというところでは200%の力を発揮するのだ」と言う人もいますが、現実に力というのは100%が最大です。ここぞというときに通常の2倍の力を発揮できるということは、通常が半分の力ですまされているとしか言いようがありません。(「はじめに」より)

この部分だけを引く抜くと、水掛け論的なようにも思えるかもしれません。しかし、「ここぞというところで実力を発揮できる人は、ここぞでないところで巧みに力を抜いている」という考え方には、不思議な説得力もあります。

そこで本書では「うまく手を抜く仕事術」を紹介しているわけですが、冒頭の「正しい手抜きを知る」では、まず最初に「ライフハッカー[日本版]」からの記事の引用が登場します。

正しい手抜きを知る

作家として、筆者は次のことを学びました。「酒に酔いながら書き、しらふの状態で編集する」評価することなく、心に浮かんだことを書き連ねるのです。そのあと、大事ではないことを削って徐々に改善していきます。『失敗の恐怖をモチベーションにしない。「完璧主義」をやめて「達成主義」で仕事しよう』:ライフハッカー[日本版](12ページより)

著者は2013年10月10日の「ライフハッカー[日本版]」に掲載されたこの記事を引き合いに出し、仕事で手を抜くことは決して非難されるべきことではないと主張しています。「仕事で手を抜くなんてとんでもない」という考え方は、ある意味では「普通」。しかし、「必要ならば手を抜くことも仕方がない」という発想もまた「普通」なのだという考え。

それに実際のところ人間は完璧ではないので、「なにもかも完璧にしたい」と思ったところで、それを実現できる人など存在しません。そして「完璧主義」と呼ばれる人たちも、そのことはうすうすわかっているはずだと著者は指摘しています。

では、完璧主義の人がなぜ手抜きをできないのかといえば、それは「怖いから」だというのが著者の見解。

0 comments:

コメントを投稿