2015年12月19日土曜日

総務省の「携帯電話値下げ議論」が決着――1GBプランが登場し、実質0円がなくなる?

 安倍晋三内閣総理大臣の命を受け、総務省で検討が進められていた「携帯電話の値下げ議論」が、ついに決着した。10月からタスクフォースで議論を続けており、その「中間とりまとめ」が12月16日に発表された。合わせて18日には、総務省から「スマートフォンの料金負担の軽減及び端末販売の適正化に関する取組方針」が出されている。

 この取組方針に従い、総務省は、大手3キャリアへの要請を18日中に行った。今後のスケジュールは、2016年2月以降に販売の適正化の窓口を設置して状況を把握、年度内にはガイドラインが策定される見通しだ。タスクフォースでは同時に、MVNOの振興策も検討されていたが、「加入者管理機能」と呼ばれる「HLR/HSS」も、「開放を促進すべき機能」に位置付けられた。

●1GB、5000円以下の料金プランが大手3キャリアから登場か

 これを受け、大手3キャリアはライトユーザー向けの料金プランの検討に入った。ドコモは「時期は明言できないが、要請を踏まえて検討していく」(広報部)といい、KDDIも「タスクフォースの内容を踏まえて検討していく。ライトユーザーにとって、何が大事かを考えていきたい」(広報部)という方針を示した。

 やや踏み込んだ発言をしたのがソフトバンクで、「1GBで5000円以下になるようなプランを検討しているのは事実」(広報部)。「決定したことはない」(同)というものの、現行の「データ定額パック 小容量(2)」より、さらにデータ量が少なく、料金の安いプランが登場する可能性は高そうだ。ドコモ、KDDIも、ここに追随してくるかもしれない。

 そもそも、タスクフォースでは、「データ通信をあまりしないユーザーが選べるプランがない」という、公平性の観点で議論が交わされてきた。中間とりまとめにも、「対象年齢や機種を限定して提供されている5000円以下のライトユーザー向けプランの価格帯も参考に、年齢や機種を限定せずライトユーザーも利用しやすいスマートフォンの料金プランの提供を検討すべき」と記されている。各社がライトユーザー向けのプランを検討しているのは、そのためだ。

 どのようなプランが登場するかは、今後のキャリアの戦略次第だが、少なくとも、恩恵があるのはいわゆるライトユーザー。スマートフォンを積極的に利用しない層といえるかもしれない。現状の平均データ使用量は、キャリアによっても異なるが、2~3GB程度だといわれている。

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