2015年11月23日月曜日

イマドキの“テレパソ”はどうなっているのか?――「FMV ESPRIMO FH77/UD」を試す

●「2015年のテレパソ」をチェックする

 かつて「テレビ付きパソコン」は、国内大手PCメーカーにとって花形製品だった。単に日本のテレビ放送を受信できるチューナーを内蔵しただけでなく、市販のレコーダー顔負けに高機能の視聴/録画/管理ソフトウェアを搭載することで、高付加価値を演出して高単価に販売でき、しかも低価格攻勢をかける海外メーカー製PCが追従しにくい分野ということもあり、各社がこぞって注力していたものだ。

 しかし2000年代後半から、地上デジタル放送移行に伴う録画データの編集自由度低下(当初のコピー制限など)、市販テレビの高機能化や低価格化、ネットを利用した動画配信サービスの充実化、よりシンプルで安価なPCを求めるユーザーニーズ増加、スマートフォンの台頭など、複合的な要因が重なり、こうした「テレパソ」は数を減らしている。

 とはいえ、自室や寝室などのセカンドテレビ兼PC用、単身者のオールインワンPC用など、以前ほどではないにせよ、テレパソを欲しいという声が今でも聞かれることは確かだ。メーカー各社のラインアップを見ると、テレビ機能付きPCはすっかり少数派だが、スマホやタブレット、クラウドサービスとの連携、ハイレゾ音源対応など、テレビ+αの提案で時代に即した進化を遂げている点に注目したい。

 今回は富士通のフラッグシップモデル「FMV ESPRIMO FH77/UD」で、イマドキのテレパソがどうなっているのかチェックしてみた。

 富士通の「FMV ESPRIMO FH」シリーズは、PCとしての基本的な用途に加えて、テレビ、レコーダー、オーディオといったエンターテインメント面が充実したオールインワン構成の液晶一体型デスクトップPCだ。

 今回入手したFH77/UDはその最上位機であり、2015年PC夏モデルとして登場し、Windows 10無料アップグレード対応モデルとしてこの冬も継続販売されている。量販店での実売価格は19万円台半ば(税込)だ。

●スマホ/タブレット連携も可能なテレビ機能

 FH77/UDは、地上/BS/110度CSデジタル放送対応のダブルチューナーを内蔵する。ダブルチューナーは1基が視聴専用、もう1基が視聴および録画用だ。裏番組の録画に対応するのはもちろん、ウィンドウ表示でテレビを楽しみながらPCで作業するといった「ながら視聴」が手軽に楽しめる。付属のリモコンを使えば、家電のテレビ感覚で操作可能だ。

0 comments:

コメントを投稿