2015年10月26日月曜日

既存の自動車メーカーがテスラやアップルに勝てない理由

ユーザーが望むのは車の運転ではなく、コンピュータの操作だ。

テスラの通信部門トップのリカルド・レイエスは、WIREDに対し次のように語った。

他社の自動車は、システム全体がバラバラに動いています。安全システムはここ、クルーズ・コントロール(自動速度制御装置)はここ、というように、パーツごとにプロセッサが異なっているのです。これは自動車の製造が徐々に進化していった結果なのですが、弊社の自動車には、皆さんがお使いの携帯電話により近いような、集中オペレーティング・システムを搭載しています。

要するに、既存の自動車メーカーはまだ車を車としか見ていないということだ。そのようなメーカーはWindows 95の時代に取り残されている。ヒューレット・パッカードがデスクトップ・パソコンを製造し、マイクロソフトがオペレーティング・システムを構築し、その他の人間がアプリケーションを開発していた時代の話だ。

世界はもはや変わった。

われわれは、ハードウェアとソフトウェアが渾然となって統合した、アップルの世界に生きている。このようなプラットフォーム用のアプリケーションを開発する人間もいるにはいるが、ハードウェアとソフトウェアというコンピュータの本質は、一つの企業によって管理されている。

ユーザーはつながりたい

このようにハードウェアとソフトウェアが統合した例が、インターネットへの常時接続だ。筆者はホンダ・パイロットに乗っているのだが、だいたい毎年のように、マップをアップデートしたCDを受け取るため、同社に料金を支払うことになっている。

何という古めかしい手段だろう。

頭の中に入っている地図の方がよほど集中システムに近いのではないだろうか。マップに自分自身の経験や行きたい所に連れて行ってくれるコンピュータを組み込み、さらにスマート化することが、車の未来にとって重要なのではないか?

だが、今はまだ150ドルを払って送られてくるCDで辛抱だ。

テスラのモデルはそれとは真逆だ。Wiredはイーロン・マスクの発言を引用している。

自動車メーカーは様々なデバイスがつながったものとして車をとらえる必要があります。車が携帯電話やラップトップのように動作すれば、無線を通して機能のアップデートなどが可能になります。自動車メーカーが「つながる」という方向性へ考えを改めるのは、安全性や機能性の面で重要です。コンピューティング・デバイスであるにもかかわらず、接続がないというのはおかしな話ですから。

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