2015年10月29日木曜日

科学者が作りだした最も黒い物質


黒より黒い黒。

色ってのは不思議なもので、一言で「黒」と言っても、いろんな黒があるものです。そっちの黒のほうがこっちの黒よりも黒い、とね。しかし、何よりもどこよりも黒い黒の物質が、人間の手によって作られました。

サウジアラビアにあるキング・アブドゥルアズィーズ大学の研究チームが開発し、Nature Nanotechnologyにて発表されたこの黒い物質は、カーボンナノチューブを積み上げ、より光を吸収させることで黒を作りだしています。

正確にいうと、このチューブは小さなナノ粒子の球体の集合であり、球体1つ1つの上にナノシリンダーがのっかっている状態なんだとか。物質の表面は、光の波長400~1,400ナノメートル間で、角度や偏光に関係なく98%~99%の光を吸収することができます。

一般的には、光の角度によって物質が吸収する光の量には違いがありますが、この素材はより広いアングルで多くの光を吸収できるのが特徴。ほかの素材と比較すると、26%も多く吸収できるのです。



開発のヒントとなったのは、シホキリスという白いカブトムシ。このカブトムシは、その複雑な結晶の構造により、効率的に光を反射させることで驚きの白さを実現しています。研究チームはこれを真逆に考え、できる限り光を吸収して最も黒い物質を作ったわけです。彼らは、この最も黒い物質は、太陽エネルギーを集めるのにも効果的なのではないかと期待しています。


source: Nature Nanotechnology via PhysOrg via Engadget

Jamie Condliffe - Gizmodo US[原文
(そうこ)

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