2015年10月29日木曜日

「Apple TV」はテレビを再発明できるのか――林信行がその魅力に迫る

●テレビの使い方を変える「Siri Remote」

 Apple TVの新リモコン「Siri Remote」に手を伸ばしテレビの絵のボタンを押す。すると特別な設定は何もしていないのにテレビの電源が入り、自動的にApple TVを接続したHDMI入力に表示が切り替わる(TVによっては電源は別途入れる必要あり)。

 今週のオススメ映画を横目で見ながら「Siri Remote」の「Siriボタン」を押して「明日の京都の天気」と語りかけると、画面の下に情報が表示される。リモコンのタッチパッドを下から上にフリックすると、天気情報が全画面表示になる。最高温度と最低温度の差が分かりやすく、今日はどんな装いで外出すればいいのか一目瞭然(りょうぜん)だ。

 それから、明日の宿をまだ取っていなかったので、Apple TVでAirbnbのアプリを起動して、いい物件がないか探してみる――テレビに向かってこんなことができる時代がやってきた。アプリの実行やSiriにも対応した新「Apple TV」の誕生だ。

 これまで家電の展示会では、何年も前からアプリが動くテレビや音声操作ができるテレビが発表されるのを何度も見てきた。だが、そうした機能が実際に使われて話題になったのを見たことがない。そんな中、iPhoneで、iPadで巨大アプリのブームを築いた真打ちAppleがテレビの改革に乗り出した。

 これまでのインタラクティブテレビとの最大の違いは、ほかのどんなインタラクティブテレビよりも圧倒的にシンプルなリモコン、「Siri Remote」だ。

 シンプルであるがゆえに手と一体化し、リモコンに目をくれず、テレビ画面だけを見ながら快適に操作ができるのはこれまでのApple TVと同じだが、実際の操作方法が違う。

 新製品ではリモコン上部にタッチして操作する「Touchサーフェース」と呼ばれるエリアがあり、パソコンのトラックパッドのように、これをを左右にスワイプして項目を選び、押し込んで選択をする。

 このTouchサーフェースを、指をくるくる回すようになで回してみると、それにあわせるようにして画面上の選択項目もくるくるとホヴァリング(浮遊)する。Apple TVのSiri Remoteに対する追従性がいかに速いかが感じ取れてなかなか気持ちがいい。

 もちろん、Siri Remoteの名から分かるように、声でも操作できる。

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