2015年9月25日金曜日

App Storeから一番人気の広告ブロッカーアプリが姿を消した訳


悪質な広告をブロックしてくれるのはありがたいんですけど…

ネット評論家でありInstapaperの作者でもあるMarco Arment氏は、人気沸騰中だったiOS 9用広告ブロッカー、Peaceの配布を停止すると発表しました。彼によればその理由は「良い気がしない」との事ですが、そこにはもっと深い理由もありそうです。

他のアプリ開発者同様、Arment氏はPeaceを水曜日、つまりiOS 9のリリースと同時に公開しました。アップルがiOS 9で広告のブロックを許可した為、様々な広告ブロッカーアプリが一斉に登場したのです。しかし、ギズモードを含む多くのテック系情報サイトで取り上げられているように、アップルが広告をブロックするのは、消費者を守る為ではありません。広告ブロッカーは、広告を収入源とし、それによって記者や編集を雇っている多くのパブリッシャーの収益モデルを破壊してしまいます。新しいNewsアプリの登場によって、アップルが出版プラットフォームビジネスに手を伸ばそうとしているのが明確に見えてきました。つまり、アップルには他のパブリッシャーを弱体化させる動機があるのです。

Arment氏によると、Peaceはアプリストアにて36時間の間、有料アプリのカテゴリで1位だったのですが、むしろそれが彼に考えなおさせるきっかけとなったそうです。

以下はArment氏のブログからの引用です:

Peaceでここまでの成功収めるのは、正直良い気がしません。予想していませんでしたが、すべきだったと思います。広告ブロッカーには1つ必ず留意すべき点があります。それは、多くの人にとって非常に便利である反面、打撃を受ける人もいて、それは必ずしも打撃を受けるべき人たちではないという事です。

Peaceは全ての広告を平等に扱います。しかし、特定の広告をブロックすべきかどうかの判断は、必ずしも白黒はっきりしたものではありません。このアプローチはあまりに無神経なので、Ghosteryも私も、この方法では私達の目標や信条と一致しないと判断しました。全体にポジティブな影響を与えるには、単純なiOSアプリで出来る事よりも繊細で複雑なアプローチが必要になるでしょう。慌ただしかったこの数日で、ブロックされるべき広告の決定者に私はなりたくないし、そんなアプリを作る事に良い気がしないと気付きました。


しかし同時に、彼は広告ブロッカーは重要だと感じているとし、Ghosteryの功績を支持しています。

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