2015年9月25日金曜日

携帯3社がiPhone6S発売、争奪激化 差別化は難航

[東京 25日 ロイター] - 米アップル<AAPL.O>の新型スマートフォン(スマホ)「iPhone((アイフォーン)6s」と「6sプラス」が25日、日本で発売された。NTTドコモ<9437.T>、KDDI(au)<9433.T>、ソフトバンクの3社は差別化が難しいなかで、それぞれの優位性をアピールすることでユーザー争奪戦を展開する。
日本の携帯電話市場は飽和状態にあるなか、各社とも固定ファンを抱えるiPhoneにかける期待は大きい。取りこぼせば、高いARPU(1契約当たりの月間平均収入)が見込めるスマホユーザーの流出に直結するため、「絶対に負けられない戦い」(携帯電話会社幹部)となる。
新機種は、見た目は「6」と同じながら、指の圧力の程度により操作する「3Dタッチ(感圧タッチ)」技術を採用しほか、背面カメラの解像度を1200万画素に高めた。機能面での向上を背景に、端末価格は「6」の場合は2年契約を条件に「実質0円」だったが「6s」の実質的な価格は1万円以上で割高となる。
同じiPhoneの取り扱いで端末の差別化ができない中、料金競争で口火を切ったのはKDDI。1回5分以内の国内通話が月額1700円でかけ放題となる料金プランを11日に発表したが、結局ソフトバンクとドコモも追随。3社はほぼ横並びとなり、差別化するはずが、業界全体の音声収入の低下につながる皮肉な結果となった。
ただ、このプランは組み合わせるデータ量に条件があり、KDDIは3ギガバイト以上、ソフトバンクとドコモは5ギガバイト以上が必要。もっとも安く契約できるKDDIは「とにかくスマホをできるだけ安く契約したい」というユーザー層の取り込みを図る。
一方で、ドコモはiPhoneの取り扱いが2013年の「5s」「5c」からで、ソフトバンクやKDDIに比べて遅れ、顧客が流出した経緯がある。今回、番号持ち運び制度(MNP)で乗り換える場合の実質価格を他社より月200円以上安くして2社からの奪回を目指す。これに対して、ソフトバンクは機種変更の負担を減らして、顧客維持の姿勢を色濃くしている。
3社は東京都内で発売イベントを開催。ドコモの加藤薫社長は記者団に対し「予約は昨年より20%ほど多い状況だ」として出足好調をアピール。その上で、ソフトバンクやKDDIに流出した顧客について「前回も前々回も戻ってきたが、これからもどんどん戻ってくると信じている」と強調した。

(村井令二 志田義寧)

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