2015年8月26日水曜日

<h1 itemprop="name">中小企業のマイナンバー対策:今年と来年の「年末調整」をどうするか

 企業がマイナンバーを取り扱う税分野の主業務が源泉徴収税関連業務となります。マイナンバーの収集は今年(2015年)の10月以降より行うとして、今年(2015年)と来年(2016年)の源泉徴収税関連業務のうち「年末調整関連の業務で留意しておくべき点」を整理してみましょう。

●マイナンバー制度は認知が進まない状況を認識して準備を進める

 一般財団法人経済広報センターが2015年8月に入って発表した「マイナンバー制度に関する意識調査報告書」(以下、調査報告書)によると、マイナンバー制度の「内容まで知っていた」割合が約59%と、まだ認知が進んでいない状況が浮かび上がっています。

 2015年10月5日から、日本の住民票を有する個人にマイナンバーの通知カードの送付がはじまります。上記の調査報告書では、この通知カードの認知度についても調査しています。通知カードが10月以降に送付されることを「知っていた」のは約58%ということです。従業員の中には、実際に通知カードを受け取ってはじめてマイナンバー制度を知るという人も少なくなさそう……が現状といえるでしょう。

 とはいえ、2016年(平成28年)1月からマイナンバーの利用が始まります。従業員などのマイナンバーを取り扱うことになる事業者(つまり、みなさんの会社)が、源泉所得税関連業務を税理士に委託しているならば、顧問税理士と相談の上で、従業員へのマイナンバー制度の啓もうや、源泉所得税や社会保障の手続きのために従業員や扶養親族のマイナンバーが必要なことを周知することが必要です。例えば、職場の掲示板などで印刷物を掲示する、同報メールで通知するなども対策の第一歩です。

 そして、認知が一気に進むであろうマイナンバー通知カードの送付のタイミングで、従業員などのマイナンバーをきちんと収集できるよう(端的には、従業員がカードを紛失してしまわないよう)に、この点もあらかじめ従業員に周知するとともに、そのための準備を進めておくことが大事です。

 マイナンバーの収集に向けた税理士と企業の準備については、前回までの連載で整理しておきました。しかし、収集は企業で、利用・保管は税理士事務所で──などと役割分担をする場合、税理士事務所で使用しているシステムによって具体的な収集方法なども異なってきます。この点も顧問税理士と早めに相談して進めていきたいところです。

●「今年の年末調整」でマイナンバーの取り扱いは必要か

 従業員からのマイナンバーの収集は今年(2015年)行うとして、「今年(2015年)の年末調整(平成27年分の給与所得に関する年末調整)」で、このマイナンバーを使用することはあるのでしょうか。

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