2014年8月20日水曜日

アマゾン独自スマホ、小売店を“アマゾンのショールーム”に変える?使命達成への武器に

 通信販売サイト大手のアマゾンは、Kindleという電子ブックリーダーを製造・販売している。電子ブックリーダーのパイオニアであり、通販サイトとして有名となっていたアマゾンが、Kindleの登場によって一段と有名になった。インターネット上の本屋としてスタートしたアマゾンからKindleのようなデバイスが発売されることは、ある意味ごく自然な成り行きだった。

 Kindleで購入した本は、およそ60秒後には読むことができる。本好きにとっては、理想的なデバイスだ。

 そんなアマゾンが7月、独自スマートフォン(スマホ)・Fire Phoneを発売した。アマゾンは、このスマホで何を目指しているのか? 現在までにアマゾンが世に送り出してきたデバイスの流れを振り返りながら考えてみたい。

●メディア販売を加速させたKindle Fire

 まずはKindleで電子書籍を普及させたアマゾンだが、続いてカラー液晶でタッチディスプレイを搭載したタブレット・Kindle Fireをリリースした。これは電子ブックに加え、ビデオオンデマンドサービスのAmazonインスタント・ビデオで映画を鑑賞したり、音楽をダウンロードして再生するなど、メディアを楽しむこともできるデバイスだ。さらにアマゾンのコンテンツを楽しみつつ、買い物も手軽にできるようにした、いわばアマゾンで買い物をするためのタブレットだ。

●注文をより簡単にするAmazon Dash、Fire Phone

 次に登場したのは、日本では行われていないサービスなのだが、アマゾンフレッシュという、生鮮食品などを取り扱うオンラインショップのためのデバイスだ。そのアマゾンフレッシュに特化したAmazon Dashは、音声やバーコードによって簡単に発注ができる仕組みをつくり上げた。

 そして、今回発売されたFire Phoneの登場へとつながっている。Fire Phoneは、アマゾンのKindle電子ブック、インスタント・ビデオ、音楽など、アマゾンが提供しているサービスを楽しめるだけでなく、他のスマホに見られない独自の機能を搭載している。

 特筆すべきは、Fireflyという機能だ。スマホ本体にある「Fireflyボタン」を押し、付属カメラで写したモノを認識することができる。全体像でなく、一部を写しただけでも認識できる場合もある。文字やホームページのURL、バーコード、電話番号、ゲーム、映画やテレビ番組など、認識できる範囲は広い。

0 comments:

コメントを投稿