2014年7月23日水曜日

「野々村の叫び」!? 号泣県議が“ネット上のおもちゃ”に 〈週刊朝日〉

「誰が誰に投票しても同じや同じやと思って、ヴァッアアァーン……この日本……ヴアァァン……!! この日本……世の中を変えたいッ! その一心で、やっと議員になったんですぅ〜ヴゥアアア!!」

 顔をぐしゃぐしゃにして泣きわめき、拳を振り上げる前代未聞の会見が開かれたのは7月1日。その発端は神戸新聞が6月30日付夕刊で報じたスクープで、昨年度、兵庫県の城崎(きのさき)温泉などに200回近い日帰り出張を繰り返し、約300万円を政務活動費から支出したという内容だ。これを受けての釈明のはずが、野々村竜太郎前県議(47)は突如感情を爆発させ、涙と大声で非論理的な持論を展開。その一部がテレビのニュース番組を通じて全国に発信された。

 間髪入れず、ネットの動画投稿サイト「ユーチューブ」に会見映像がアップされて瞬く間に広がり、2日間で再生回数は200万回を突破。英タイムズ紙(電子版)は「温泉スキャンダルでフルスロットルの謝罪」との見出しで掲載、米国やロシアのテレビなども皮肉を込めて話題にした。

 なぜ国内外のメディアがこぞって取り上げたのか。上智大学の碓井広義教授(メディア論)が分析する。

「理由のわからない号泣、意味不明の叫び、一見ふざけて見えるポーズ。この3点セットが特異なキャラクターとして認識され、誰もが『ホントに県議?』と疑いたくなった。不可解な言動が人々を釘付けにしたんです」

 芸能界の大御所たちも即座に反応し、まず明石家さんまがラジオ番組で「俺よりオモロイ」と絶賛。ビートたけしらも情報番組などで、手でコップを隠して水を飲む姿や耳に手をあて聞き返すしぐさをまねてはネタにした。

 ITジャーナリストの井上トシユキ氏は言う。

「映像のインパクトが強く、初めは『この人、おかしいよね』と軽い気持ちで共有していたら、本当に税金を不正に得ていたことがわかり、『日本の恥さらし』という厳しい怒りに変わっていった」

 実際、野々村氏のブログやSNS上では「この税金泥棒が!」「今すぐ辞職しろ!」と批判が高まり、炎上している。精神科医の香山リカ氏は、

「県議という社会的な地位がありながら、振る舞いが未成熟。そのギャップが大きかったから批判しやすかった。さらに税金の不正支出は弁明の余地がなく、叩(たた)く側の『正義』が保障された。だから皆、容赦なくバッシングし始めたんです」

 そして、野々村氏をおちょくるコンテンツがネット上にあふれるようになった。

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