2014年6月23日月曜日

Googleは渋滞情報をどうやって調べてる?――ビッグデータ“活用”成功の秘けつはギブ&テイク

 先日、東京ディズニーランドでシンデレラ城を舞台にしたプロジェクションマッピングのショー「ワンス・アポン・ア・タイム」がスタートしました。余談ですが筆者のBusiness Media 誠デビューの記事は、ディズニーのプロジェクションマッピングの記事でした。

 新たに始まったこのショーのおかげで、東京ディズニーランドは午前中に入園制限がかけられてしまうほど。ショー自体は夜遅くに開催されることもあり、週末の夜10時以降、舞浜近辺は大渋滞が起きているようです。

●Googleは渋滞情報をどうやって調べてる?

 Googleマップといえば、オンライン地図サービスの代表格ですが、スマホアプリも提供されています。ところで、このアプリを使うと交通状況も調べられることはご存じでしょうか? 例えば、カーナビのように渋滞している道路をその程度に応じて赤や黄色で表示できます。

 カーナビでは、「VICS(道路交通情報通信システム)」というシステムで情報が提供されます。これは、道路交通情報通信システムセンターが、警察や道路管理者から収集した情報を基に配信しているものです。

 では、Googleマップはいったいだれが情報を集めているのでしょうか? 実はこれ「みなさん」が集めているのです。正確には、みなさんの「スマホ」です。

 Googleは、「Google Location History(ロケーション履歴)」という機能を使って、スマホの移動情報を収集しています(参考記事)。そして、この移動情報を基に、「道路上で動きがない→渋滞」と判断しているのです(参考記事)。

●Suica利用履歴販売とGoogleロケーション履歴提供、なぜ印象が違う?

 2013年7月、JR東日本がSuicaの移動履歴データを他社に販売しているとして、大きな話題になりました(参考記事)。JR東日本は当初、「Suicaの利用履歴は個人情報に当たらない」としていましたが、利用者からの大きな反発もあって現在ではデータの提供を見あわせています。

 Googleロケーション履歴を使ったGoogleマップへの交通情報の提供は、ビッグデータの活用事例の代表的なものです。一方、Suica利用履歴の提供もビッグデータ活用事例の1つとして挙げられます。

 「利用者の移動情報をビッグデータとして活用する」事例としては同じなのですが、印象が大きく異なるのはなぜでしょうか? ポイントは、「データ提供を拒否する手段の存在」「サービス提供社に対する信頼」、そして何より「ユーザーが得をするかどうか」ですね。

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