2014年6月27日金曜日

Google I/O 2014で見えた、Googleとライバル企業の勢力図

 6月25日(現地時間)から2日間、アメリカ・サンフランシスコでGoogleの開発者向けイベント「Google I/O 2014」が開催された。

 目玉は、Androidの次期OSとなる「L」の発表だ。「L」は開発者向けのプレビュー版の名称だが、正式にリリースされたときに、コードネームにLから始まるどんなスイーツ名が使われるのかは、今のところ明らかにされていない。

●まるでAppleのようなデザインに?

 今回のLは、これまでのAndroidのライバルを意識した改良が行われているのが特徴だ。

 まず、注目は「マテリアルデザイン」だ。シンプルな構成になりつつも、色鮮やかな印象に生まれ変わった。これを見たアプリ開発者は「これまでGoogleは『デザイン』とは無縁の会社だと思われた。まるでAppleのようだ」と語った。

 確かに、AppleはiOS7で、これまでのデザインを一新し、フラットデザインへとかじを切った。まさにLはiOSのデザイン変更を意識したようにも感じる。

 また、Lでは、Googleが販売しているノートPC「ChromeBook」との連携も強化している。Android上の通知や電話の着信がChromeBook上で確認できるようになったのだ。ChromeBook上で、一部のAndroidアプリを動作させることもできる。

 2013年、Androidの開発統括者に、かつてはChromeOS責任者だったスンダール・ピチャイ氏が就任し、ピチャイ氏が2つのプラットフォームを兼務するようになった。まさにピチャイ氏の兼務によって、AndroidOSとChromeOSが近づいたように思われる。

 Appleも、先日のWWDCでiPhoneでの音声着信をMac上で受けられるという機能を発表したばかりだ。このあたりも、両社でお互いをけん制している様子がうかがえる。

 AppleがiOS8で、アプリ間の連携や通知センターでのウィジェットに対応し、Andoridに追いついたかと思えば、Androidは「ファクトリーリセットプロテクション」を導入し、盗難されないような仕組みを作った。このファクトリーリセットプロテクションはAppleがiOS7で導入した機能だ。

 世間では「セキュリティ面ではiOSのほうが優れており、マルウェアの被害はAndroidのほうが断然多い」という指摘があるなか、今回、Androidではマルウェア対策に本腰を入れてきた。

0 comments:

コメントを投稿