2014年6月27日金曜日

6826円 -孫正義の「価格破壊宣言」はどこへ消えた

2013年のスマホの出荷台数は前年比3.7%減の2928万台となった。横田英明MM総研取締役は、「ガラケーから料金の高いスマホへの買い替えが減っている」と話す。
スマホの平均月額使用料が6826円なのに対し、ガラケーは3746円。月々3080円の差がある。家族4人とすれば、単純計算で年間14万7840円も余分に払う必要が生じる。
孫正義ソフトバンク社長は「携帯電話は既存事業者が独占し、料金も海外に比べ割高だ。基地局コストが安い800メガヘルツ帯に我々も参入できれば、独自の基幹網と他の無線技術との併用により、携帯料金を今の何分の1かに下げる自信がある」(04年9月4日付・日本経済新聞)と発言し、同じプラチナバンドである900メガヘルツ帯に参入を果たしたが、「買収に買収を重ねてかなりの負債があり、当面価格勝負はしてこないだろう」(横田氏)という。
実際に、1月24日に発表されたソフトバンクの「かけ放題」プランであるが、自社社員からも「高すぎる」という声があがるほど、価格破壊からは程遠い「見かけ倒し」の料金プランだ。「『(新規格の)VoLTEを最初に手がけたのはソフトバンクだ!』と言いたいためのイメージ戦略でしょう。今後、携帯電話各社は、ソフトバンク発表より少し安いぐらいのプランを設定するでしょうし、それに対抗する形でソフトバンクはさらに少し下げるぐらいで値下げ合戦は終わってしまうのではないでしょうか」(横田氏)。スマホの月額料金は今後も高止まりの様相だ。
宮上徳重=文 ライヴ・アート=図版作成

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