2014年5月29日木曜日

なぜHPではなくUberがテクノロジー企業の未来像なのか

ソフトウェアの価値がますます上がっている一方で、ソフトウェアの販売利益はゼロに近づいている。

この数日はHP(ヒューレット・パッカード)にとって厳しいものだった。この巨大テクノロジー企業の決算発表は市場の予想を下回り、11,000~16,000人の従業員削減の予定が発表された。残念ながら、業績の伸び悩みに苦しんでいるのはHPだけではない。オラクルの業績もここ数年市場の予想を下回ることが多く、最近の第3四半期も例外ではなかった。IBMも、なんとか利益が出てはいるが、またもや目標を下回る結果だった。

古参のIT企業は明らかに苦しんでいる。だが、テクノロジーの革新が今も続いているのは間違いない。ただ、新しいテクノロジーは過去のテクノロジー・ビジネスの基盤とは異なる方法で開発され展開しているのだ。

今のソフトウェアはライセンス駆動ではない

私の言いたいことを理解してもらうために、最近のこのウォールストリートジャーナルを見てほしい。

HPの厳しい見通しが大きく報じられている一方、その右上端には次世代の「テクノロジー企業」がいかに好調であるかの記事が並んでいる。

記事に取り上げられている企業の一つ、Uberは現在5億ドルの追加増資を進めており、その場合の時価総額は120億ドルとなる。同社はテクノロジー企業ではないかもしれないが、正式な社名は「Uber Technologies Inc.」だ。Uberは、空車のハイヤーと乗客をマッチングする配車サービスを提供している。たしかにこのサービスはNode.jsやPython、その他のオープンソース・ソフトウェアから成り立っている。しかしUberは、すくなくともHPやSAPなどの一般的なテクノロジー企業と同列では分類されないだろう。

というのもUberはテクノロジーを販売している訳ではなく、テクノロジーを基盤としたサービスを提供しているからだ。

同じことが、グーグル(広告)、フェイスブック(ソーシャルネットワーク)、アマゾン(全方位的なサービス)、Netflix(エンタテイメント)やその他の多くの企業にあてはまる。テクノロジーに極度に依存しているが自分自身は「テクノロジー企業」ではないというこのトレンドは3年前、マーク・アンドリーセンによって「ソフトウェアが世界を征服する(Software is eating the world)」という言葉で見事に言い表されている。

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