2014年5月26日月曜日

ネットと古書店の棚がリンク? 古書通販のパイオニアが語る新サービスの今とこれから

 古書とは無縁の世界から、古書ネット通販の元祖「スーパー源氏」を立ち上げ、現在は神保町で同名の古書モールも経営する紫式部の代表取締役・河野真氏。

 2014年4月2日には、ネット上で古書モールの棚を見て本を買うことができるサービス「棚!見れるジャン!本!買えるジャン!」を開始。ネットとリアルの融合ともいうべきこのサービスは、古書販売の新たな道を照らす光となるのだろうか。河野氏にサービスの現状と展望について聞いた。

●古書検索サイトの船出

―― スーパー源氏を始めたきっかけを教えてください。

河野真(以下、河野) 1995年ごろ、古書店をやりたいという知人から相談を受けたんです。ただ店舗で販売するだけでなく、何か新しい販売方法はないだろうかと。

 当時はあまりネットも普及していませんでしたから、パソコン通信を使って、試しに古書のデータを入力して公開してみたんです。そうしたら思ったより反響があった。そこで、古書の通販をしてみてはどうだろうと思いついたのが、スーパー源氏を作ることになったきっかけです。

―― 古書店からの反応はどうでしたか。

河野 最初は、ほとんど反応がなかったですね(笑)。PCについて知らない古書店が多かった。ダイレクトメールを送ったりしてみたんですが、なしのつぶてでした。

―― 手ごたえを感じ始めたのはいつごろですか。

河野 スーパー源氏を開設して3年後、ネットの普及も進んだ1998年ごろからです。お客さまからのメールが届き始めたのもそのころからでした。十数年間探していた祖父の著書を、スーパー源氏で見つけることができたという方からお礼のメールをいただいたり、子育て中のお母さんから、忙しくて古書店に行くことはできないけど、最近はスーパー源氏を利用して本を買っているといったお話をいただいたり、役に立っているということが実感できて、とてもうれしかったですね。

 だんだんと、スーパー源氏に加盟する古書店が増え、蔵書数が増えたことで、利用してくださるお客様も増えたのだと思います。

●大手企業の参入で激化し始めるネット通販業界

―― スーパー源氏がだんだんと盛り上がりを見せる中、古書モールを作られたのはなぜですか。

河野 2003年ごろから、Amazonや楽天などネット通販を行う大手企業が参入してきて、競合が増えたのが主な理由です。やはり、集客力があるのでお客さまがそちらの方に流れてしまったんです。

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