2014年5月27日火曜日

「ホモ人狼」「オタク人狼」……人狼アレンジゲームに潜む「差別意識」

テレビにも取り上げられ、メジャーになってきている「人狼ゲーム」。正式名称は「汝は人狼なりや?」というアナログパーティーゲーム。「村人」を襲う「人狼」を会話をもとに突きとめていくゲームだ(ルールの細かい説明は杉村啓さんの記事を参照のこと!)。
この基本ルールをアレンジしたさまざまなバリエーションの人狼が生まれている。「人狼」を「ドラキュラ」に変えたもの、「カイジ」「ダンガンロンパ」など商業作品設定とコラボしたもの、「量子人狼」「ヒトラー人狼」など独特の設定を使ったもの……もともとがシンプルなゲームなだけに、アレンジできる幅は広い。

けれど、その「アレンジ」がつい最近問題になった。
「アッー!とホーム♂黙示録 人狼ゲームやらないか」。開発元はハッピーゲーマー。スマホ用ゲームアプリで、AndroidとiOS配信が予定されていた。
アオリ文句は「ノンケvs人狼」。舞台は男子寮で、一人の生徒がアッー!される。犠牲者は口を閉ざしたまま学舎を去ったが、寮の中にはまだ他の生徒たちをアッー!しようとする「人の皮を被った狼」が潜んでいる。寮の一員になったプレイヤーは、ノンケと人狼を見分けて、人狼を排除する……。

「アッー!」というのは、ネットスラングの1つ。由来は諸説あるが、ゲイマンガかゲイビデオ(いわゆる「ホモネタ」)が元ネタだ。加えて、このゲームにはネット上で有名ないわゆる「ホモネタ」が多く使われていた。タイトルの「やらないか」は山川純一のマンガ「くそみそテクニック」のキャラクター阿部高和の台詞が元ネタだし、そのほかの登場するキャラクターも、ネット上で有名な「ホモネタ」の人物を模している。
このゲームに出てくる「人狼」は、ゲイのことを指しているーー明言されてはいないが、ネット文化をかじった人なら容易にそう連想できてしまう。ネットでは「ホモ人狼」と揶揄されていた。

このゲームは「ゲイへの差別意識がある」と激しい批判を受けた。無差別に男を襲うといった要素、「ノンケvs人狼」「人の皮を被った狼」などの表現などが問題視されてのことだ。
開発元のハッピーゲーマーは5月9日に「性差別を助長したり、性的少数者を差別する意図は全くございません」と謝罪。Android版は当初のまま12日に配信開始したが、15日にリジェクト。21日には「表現を大きく変更したリニューアル版」としてタイトルを「脱出!人狼学園【人狼を学校から追い出そう!】」に変更して再配信した。

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