2014年4月22日火曜日

スマートフォンアプリが Web を衰退させる―ウェアラブルデバイスと音声アシスタントが衰退を加速させる

Web は3月11日で25歳の誕生日を迎えたばかり。終わってしまうにはまだ若すぎる年齢だ。だが Web の生き残りには懸念材料が多すぎるのも事実だ。

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オープンな Web は危機に瀕しており、その原因はモバイルアプリにある。これは、シリコンバレーの IT 業界関係者の間で共通した見解となりつつある。

その引き金となったのは、モバイル解析ベンダー Flurry による最新のレポートだった。同レポートは、スマートフォンユーザーはその利用時間の86%をアプリに費やしていることを明らかにしている。これに対し、Web 利用に費やす時間はわずか14%に留まっていた。

一般大衆が Web を利用可能になったのは、Marc Andreessen 氏が Web ブラウザ「Netscape Navigator」を開発したところによるものが大きい。そのアンドリーセン氏の創設したベンチャーキャピタル Andreessen Horowitz の Chris Dixon 氏は、このままでは Web はニッチな用途でしか利用されないものになると警告している。アプリをダウンロードする前にサービスを試すためのものや、Twitter や Facebook のフィードからリンクされるコンテンツを消費するためのものでしかなくなるというのだ。

Web の利用が減少すれば、Web 開発への投資もされなくなり、Web の衰退にはさらに拍車がかかる。Apple や Google、それに Microsoft といった企業によって管理されるアプリの世界とは異なり、オープンな Web は、インターネットにおける実験やイノベーションをリードしてきた。その Web が廃れてしまえば、インターネットの世界からイノベーションが失われる可能性があると、Dixon 氏は恐れているのだ。

■ Web を衰退に導くのは、モバイルアプリだけではない

このような見解については、大げさと取る人もいるだろう。だが、Web を衰退に導くのは、スマートフォンだけではない。ウェアラブルコンピューティングも、Web を衰退させる原因の1つとなる。ウェアラブルデバイス上では、スマートフォン以上に Web インターフェイスの提供が困難なのだ。

Google によるウェアラブルデバイス「Google Glass」を例に取ろう。Google Glass にも Web サイトを表示する機能はある。

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