2014年4月21日月曜日

「辛くない時期はなかった」 月間1億2000万PVで得たもの/失ったもの 清水鉄平「はちま起稿」に狂わされた人生

「いつだって辛くない時期はなかった。僕幸せになっちゃダメですよね」

 「はちま起稿」元管理人の口から、こんなネガティブな言葉が出てくるとは思っていなかった。月間1億2000万ページビュー(PV)を越え、今がまさに絶頂期とも言える「はちま起稿」。しかし目の前にいる"元"管理人は、サイトの隆盛とは裏腹に「僕は幸せになってはいけない人間」と下を向く。

「上には上がいるし、自分がすごいって気にもならない。僕にないものをみんなが持っているからなのかな。現状に満足ができないし、しちゃいけないと思っていて、どこまで行っても満たされたと思ったことがない」

 第一印象を正直に述べるなら「ネガティブ・暗い」。自分でも「文章は書けるけど他人と会話するのが苦手なコミュ障」と書いている。とにかく自分の言葉でしゃべるのが苦手なようで、なんとか口を開いても途中でどんどん小声になっていき、最後はモゴモゴと口ごもってしまう。攻撃的な「はちま起稿」とは正反対の人物像に面食らった。

 2月18日、場所はSBクリエイティブ。以前告知したとおり、書籍「はちま起稿 月間1億2000万回読まれるまとめブロガーの素顔とノウハウ」の発売を記念して、元管理人・清水鉄平氏にお話をうかがった。

●炎上、引退、そして復帰―― 現在の「はちま起稿」と清水鉄平

 日々ネットに接していて「はちま起稿」の名前を知らない人はいないだろう。1日に更新する記事は約50本、月間ページビュー(PV)は1億2000万。日本でも指折りの個人ニュースサイト(現在はチームで運営)の1つと言っていい。

 一方で、その周囲には常に批判の声がつきまとう。ステマ疑惑、著作権侵害、誤報、露骨な対立煽り……。管理人自身も顔バレ、氏名・住所の流出といった"炎上"を経験し、追い打ちをかけるように2ちゃんねるからは名指しで「転載禁止」を言い渡された。一度貼られた「悪者」のレッテルは今も消えず、ネット上では「はちま」と聞くだけで眉をひそめる人も多い。 

 「アンチは平気。無関心の方が怖い」と言う一方で、いまだに誤解にもとづく批判が多いのはつらいという。「ネットで書いてもどうせ嘘だろって言われる。だからここ(書籍)では本当のことを書こうと思った」

 炎上で一番こたえたのは、周囲の人間にまで火の粉がふりかかってしまったことだった。「ステマ疑惑」が持ち上がり、過去に絡みのあったゲーム業界関係者まで疑惑の目を向けられるようになった。

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