2014年3月31日月曜日

Twitterの複数写真添付機能に対する懸念

Twitterの複数写真添付機能に対する懸念
2014年03月31日
TEXT:小川 浩(シリアルアントレプレナー)

TwitterはIPOには成功したものの、その後ユーザー数の伸び悩みや収益性に対する市場の不安を払拭できていない。Instagramが順調にユーザー数とトラフィックを伸ばしている状況とは対照的だ。ひょっとすると、Instagramの創業者たちは売り急いでしまったことに、相変わらず後悔しているかもしれない。

Twitterはいうまでもなく、140文字という短いテキストコンテンツをシェアするサービスだ。基本機能としては、誰でも見ることができるコンテンツ(ツイート)の投稿と、特定の相手にだけ見せるダイレクトメッセージがあり、さらにほかのユーザーをフォローすることで、そのユーザーの投稿状況をリアルタイムに知ることができる。なお、拙書『仕事で使える!Twitter超入門』(青春出版)を出版したのは2009年だが、そのころと基本的には変わっていない。

そもそもTwitterは、自分の行動や思考の状態(ステータス)を、友人や同僚とシェアするためのツールだった。だから、画像や動画の投稿をサポートすることでさらにシンプルな情報共有を実現することは、理にかなっている。

しかし、わざわざ140文字に限定(日本語だと比較的長く書けるが、アルファベットだとほんとうに短い)して投稿へのハードルを大きく下げたはずのTwitterが、画像などほかのコンテンツをアップロードするための手間をかけさせることは、本来の良さをスポイルすることになる。

今回、Twitterは複数画像の投稿をサポートしたうえ、140文字という文字数制限とは別カウントとなるタグ付けを可能にした。サービス自体のリッチ化は一見良いことのように思うが、同時に習得すべき使い途・使い方の数を増やす。つまり、複雑さの罠に陥るのである。

Twitterのユーザー数や投稿数が思ったより伸びない状況は、実はここにあるのではないか。投稿文字数を絞り、タイトルさえも削り、とにかくすばやく気軽にツイートされることで、投稿回数自体を増やすという選択をしたことでブレイクしたのがTwitterだが、機能追加とともに投稿までのステップが増え、気軽さは減じてしまう。

投稿までに複数のステップが必要ならばより長く書けるFacebookでいいし、テキストさえ不要なInstagramやVineのほうが手軽だ。

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