2014年3月27日木曜日

なぜ「楽天」が世界中で叩かれているのか?

 ECモール「楽天市場」を筆頭に、日本のみならず世界規模で巨大な企業に成長した楽天。最近では、無料通話アプリ「Viber(バイバー)」を9億ドル(約900億円)で買収したことで、世界的なニュースにもなった。世界中で名前を周知してもらうことに成功したと言える。

 そんな楽天だが、最近、国内で問題を起こした。プロ野球チームである楽天ゴールデンイーグルスの優勝セールの際に、楽天市場で二重価格表示が指摘されたこと。星野監督の背番号にあやかって「77%オフ」をうたったが、元値をあり得ないくらい釣り上げて、高い割引率を実現したように見せていた。東京新聞は、その不当行為に「楽天の複数の社員」が指示を出していたと報じている。

 この問題では三木谷浩史社長が謝罪するにいたっているが、実は現在、世界で知られるようになった楽天をめぐって、大々的な批判が世界的に噴出している。

●象牙、クジラ……、世界中の楽天が攻撃されている

 楽天はEC分野でも世界進出を図っている。例えば、米国では「Rakuten.com Shopping(ラクテンショッピング)」、英国では「Play.com(プレードットコム)」、フランスでは「PriceMinister(プライスミニスター)」といったサイトを運営している。またカナダの電子書籍大手「KOBO(コボ)」も傘下に収めた。こうしたECサイトを巻き込んで、トラブルが発生しているのである。

 楽天に対して名指しで批判キャンペーンを始めたのは、英国に拠点を置く環境保護団体の環境捜査局(EIA)だ。EIAは、楽天が象牙や鯨肉の販売で、世界最大のECサイトになっていると指摘。同団体がまとめた「ブラッドEコマース(血塗られた電子商取引、参照リンク)」という報告書によれば、楽天のショッピングサイトには、象牙を売るための2万8000件以上の広告、1200種類の鯨商品(鯨肉は773商品)が掲載されている。ちなみに象牙に関しては、商品の90%以上が「判子」だった。

 同団体のサイトには、「We R ……」というタイトルのビデオも公開している。「R」は楽天の「R」と動詞の「ARE」を意味する。登場する人たちが次々と「私たちは……」と語るビデオだが、例えば「私たちは象牙や、絶滅危惧種のクジラの肉を売っている」「私たちは社会的に責任がある」と続き、そして最後に登場する女性が「あなたは楽天?」と締めくくるのだ。

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