2014年3月24日月曜日

楽天、買収攻勢で加速する世界展開の狙いとは?「無料」間口に多様なコンテンツと相乗効果

 スマートフォン(スマホ)およびPC向けのインターネット電話(VoIP)アプリViber(ヴァイバー)は、ヴァイバーメディア(本社はキプロス)が2010年から提供しているサービスだが、メッセージング機能が追加されたり、そのメッセージング機能で使えるスタンプを販売したりするなど、総合コミュニケーションツールとして進化してきた。

 このViberの特徴のひとつは、普段使用している電話番号で相手を認識するため、IPアドレスや独自の番号を使用する普通のVoIPと違い、登録の手間がいらないというメリットがある。Viberは、アプリをスマホにインストールして利用者登録後に認証キーを受け取り、それを入力すればサービスの利用を開始できる。電話をかける場合も、携帯電話に登録してあるリストから自動的にViber利用者が表示されるので、その中から選んで電話をかけられる。

 Viber利用者間の通話は無料で、このあたりはSkypeなど、ほかのVoIPサービスと同じだが、比較的音質がいいことがサービス開始当初から話題になっていた。

 そんなViberを、楽天が買収した。その金額は実に9億ドルに上る。発表当時の為替レートは1ドル100円程度なので、約900憶円となる。このViberは世界的にビジネスを展開している会社で、そのユーザー数は約3億人といわれる。

●楽天の狙いとは

 さて、楽天がViberを買収した目的はどこにあるのだろうか?

 今までにも、楽天はカナダの電子書籍会社Koboを買収するなど、世界に進出しようとする意志が見える。社内の公式語を英語にしていることからも明らかだ。

 ほかにも楽天は、スペインの動画サービスプロバイダー・Wuaki.tvや、シンガポールのグローバルTVサイト・Vikiなども買収しており、メディアコンテンツ関連を傘下に収めている。

 また、楽天は通話アプリとして楽天でんわのサービスも始めており、Viberは単純にVoIP+メッセージングアプリとして収益を上げることを目指しているわけではなく、電子書籍や動画などのメディアコンテンツの販売を展開していくためのキーとして使われるはずだ。

 そして、最近の流行に乗って、メッセージングではキャラクターステッカーを販売するなど、キャラクタービジネスも狙っている。

 そして最終的には、さまざまなコンテンツのユーザーたちを楽天というネットにおける一大市場の顧客として取り込んでいくことを目指しているはずだ。

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