2014年3月19日水曜日

クラウド会計サービスの普及が 日本の起業家を後押しする

 事業を始めたり副業を行う時に面倒な作業のひとつが「会計」ではないだろうか?

 表計算ソフトで帳簿を自作。市販の会計ソフトを導入。いろいろな方法があるが、どうしても「基本的な会計知識」は必要になる。何かと忙しい起業時に本を片手に会計を勉強し、帳簿作りに時間を取られるのは、経営面でも痛いところだ。

 そんな状況を背景に注目を集めているのが、スモールビジネスに特化したクラウド型の会計サービスである。「freee」はその1つ。会計知識のないビギナーでもすぐに使えるのが特徴だ。

 筆者も使っているが、初めて操作をした時は、その簡単さに驚いた。

 手順はシンプル。まず、アカウントを取得。自分の銀行口座やクレジットカード情報を入力すると、すぐにデータ連携が始まる。口座の出入金、カードの利用明細などを読み取り、勘定科目別に帳簿に記載されていく。システムが明細を分析し、自動的に勘定科目を推測して振り分ける仕組みになっている。

 できあがった帳簿に問題がなければ、あとは登録ボタンを押すだけ。このとき、「自動化」にチェックを入れておくと、次回から同種の取引は自動記帳される。ここまでの作業、アカウント取得から5分もかからない。

 この自動取り込みは、ネットバンキングを導入している金融機関のほとんどに対応している他、交通系ICカードやアマゾンなどとも連携している。

 現金での支払いは手入力になるが、スマートフォンアプリもあるので、空いた時間にサッと入力しておけば、さほど手間はかからない。

 こうした記帳機能だけでなく、見積書・請求書の発行、分析レポートの作成、売掛金の管理など個人事業をサポートする数多くの機能を備えているfreee、そのコンセプトは、徹底した「自動化」「省力化」だ。

グーグル時代に痛感した
日本の開業率の低さ

 開発したのは、元グーグルの佐々木大輔氏。2012年に起業し、試行錯誤の末にfreeeを立ち上げたのだが、そこにはグーグル時代に積み重ねた思いがある。

「グーグルではアジア太平洋地域の中小企業向けマーケティング業務を担当していたのですが、その経験の中で日本の開業率の低さを思い知ったのです」

 日本の開業率(新規開業数/全企業数)は、OECD加盟国では最低クラスの5%未満。この数字が低ければ、企業は活性化されないし、未来につながるイノベーションも生まれにくい。

「freeeの目指すところは、中小企業の経営者が経理・会計を意識しなくてもバックオフィス業務を自動で処理できること。

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