2014年3月20日木曜日

世界に羽ばたく「ツイキャス」、“ステージ”ではなく“インフラ”に 1000万ユーザーの先へ

 スマートフォンに特化したライブ動画配信アプリ「ツイキャス」のユーザーが「545万人」を超えた。昨年11月末に400万人突破を発表しており、2カ月強で約150万人が増えるという順調な成長ぶりだ。昨年末にシリコンバレーに拠点を設立するなど精力的な展開を続けるモイの赤松洋介社長に次の一手を聞いた。

●フィンランド人より多く「モイ!」

 545万人という一見中途半端に見える数字は「フィンランドの人口」だ。ツイキャス配信の開始をTwitterに投稿する際、デフォルトで表示されるかけ声「モイ!」は、フィンランド語で「こんにちは」という意味。赤松社長が2007年に同国に滞在した時、やわらかく親しみやすい響きに引かれたのがきっかけだ。ライブ配信への技術的なハードルを下げ、ネットや機材への理解が浅くても手軽に楽しんでもらいたいというツイキャスのアイデンティティの1つとして大事な言葉になっている。

 サービス開始当初「モイ!」の意味を尋ねる問い合わせが約半数を占め、特に女性ユーザーには響きのかわいさが印象に残るなど、新規ユーザーを獲得する大きな要因の1つにもなったという。「フィンランドの人口より『モイ!』でコミュニケーションを始める人が多くなったわけですよね……そう思うと面白いじゃないですか、ここまで大きくなるなんて最初は思ってもみなかった」(赤松社長)

●ユーザー増加は加速、海外展開強化

 ユーザーの増加は加速しており、月間純増数記録を毎月更新している状況。母数の広がりによる利用層の変質はほとんどなく、24歳までの学生を中心にほぼ口コミだけで支持を得てスケールアップしており、全国の大学生の約半数(133万人)が利用しているという。男女比はほぼ半々、国内ユーザーは北海道から沖縄まで全国に散らばっている。

 配信・視聴共に圧倒的にモバイルの率が高く、トラフィックの7割を占める。配信者によっては、視聴者の9割近くがモバイルから。また、他の動画サービスと比較して認知度に比べ配信経験率が高いという調査結果もあるなど、見るだけでなく自ら発信するユーザーが多いのも特徴だ。ソチ五輪男子スノーボードで銀メダルを獲得した平野歩夢選手も学校の友人を交えて楽しんでおり、人気を集めている。

 今年は海外展開を強化する。すでに全ユーザーの16%(昨年11月時点)を占めるブラジルやメキシコなど中南米を中心にユーザー獲得に取り組む。

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