2014年2月28日金曜日

日本への進出が気になる 海外で急伸する電子書籍の読み放題サービス

 電子書籍を購入して、タブレットやスマートフォンで読む。そんな読書スタイルが定着してきた。

「その都度、本を買うのは、ちょっと面倒くさい」。

 こう感じた方はいるだろうか? 1冊ずつの購入は、たしかに面倒といえば面倒だ。コンテンツ提供側にとっても、購入手続きが煩雑になれば、読者を逃がしてしまうリスクを孕んでいる。

 そんな現状を受け、海の向こうではいま、電子書籍の「定額読み放題サービス」が台頭している。テレビ番組や映画を月額制で好きなだけ視聴できるNetflixやHuluといったサービスは日本でもかなり浸透したが、その流れが本の世界にも波及しているというわけだ。

月間1000円で
10万冊から読み放題

 注目株は、米国の「Oyster」というスタートアップ。月額9.95ドル(約1000円)という価格設定だ。定額サービスはタイトル数が大きな決め手になるが、Oysterは、なんと10万タイトルを売りにしている。これは既刊の書籍だけでなく、新刊やベストセラーも含む数字である。

 扱うジャンルも多岐に渡っており、ビジネス書、小説、歴史書、ミステリー、ファンタジー、サイエンス、伝記、スポーツ関係、ヤングアダルト、児童書など、ほぼすべてのジャンルを網羅している。

 文書共有サイトで知られる「Scribd」も、昨年10月、同様のサービスをスタートさせた。こちらは月額8.99ドル。現在、新刊を含む数千タイトルが読み放題。書籍の他に4000万件の各種文書も閲覧が可能になっている。

 好きな時に好きな場所で、好きなだけ読書を楽しむには、対応デバイスも気になるところ。

「Oyster」「Scribd」ともモバイル端末に最適化され、AndroidとiOSからのアクセスを前提としている。実際に読んでみると、なんといってもレイアウトの美しさが印象的だ。操作も必要最低限に絞られており、ストレスを感じることは、まずない。

 読書履歴は、デバイス間で同期され、端末を変えても、すぐに続きを読むことができる。ブックマーク機能もあるので、通勤途中に気に入った作品を見つけ、クラウド上に登録。時間ができたら、ゆっくりとオフライン環境で読む――こんなことも可能だ。

 また、「Oyster」には、本を探すサポート機能も搭載されている。読書履歴を踏まえたレコメンド機能や、友人が読んでいる本を知る機能なども備わっている。

 電子書籍の定額サービス自体は、「ブックパス」や「ビューン・コミック」など日本でもすでに複数のプラットフォームが動いている。

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