2014年2月26日水曜日

サイバー攻撃で420億円盗まれダウン?ビットコイン大手Mt.Goxが取引停止、政府救済なし


サイトは真っ白、ツイッターも全履歴削除。かつて世界一のビットコイン交換所だった「Mt. Gox(マウントゴックス)」が口座に預かったコインごと跡形もなくドロンです。

サイトには「一連の報道とMtGoxの事業・市場への影響を考慮し、サイトとユーザーを守るため全取引きを一時的に停止することにしました」という簡単な説明が後で出ましたが、「一時的」で終わるのかどうか…投資家の間には不安が広がっています。

マウントゴックスで技術的不具合で引き出しが停止になったのは2月7日のことでした。それが今週月曜に入ってサイトが何度も落ちて、そうこうするうちツイッターのつぶやきが全部消され、ビットコイン全体の相場が下落。慌てて大手取引所5社が「他の取引きには影響ない」との共同声明を発表し、距離を置きました。マウントゴックスのCEOも業界団体理事を辞任しています。

Re/codeからの取材に対し業界団体広報は、「破産する予定であることを、マウントゴックスが他のビットコイン業界の人との私的な話し合いの中で認めた」と語っています。

ネットにはマウントゴックスの社章入りの「危機管理戦略」なるものが出回っており、そこにはここ数年で744,000ビットコイン(時価409,200,000ドル[420億円]相当)も盗まれていた、今月の引き出し停止もこの窃盗で使われたのと同じ脆弱性を突く攻撃に遭ったのが原因だ、と記されています。これが本当なら、盗まれた被害額は流通する全ビットコインの6%に相当することになりますね。最悪ですね…。

Mt. Goxと言えばひと頃はドラッグ・銃の闇市場シルクロードで隆盛を極めた取引市場です。

が、昨年4月には相場が暴落。その時はすぐ戻ったんですが、翌5月には米国内提携先のCoinLab(本社・シアトル)に「一方的に契約破棄された」と損害賠償7500万ドル(77億円)の支払いを求める大型訴訟を起こされ、米国土安全保障局からは米国内における送金業者免許不所持(懲役3年の罪)で取引口座が差し押さえられ、あとは坂道を転げるような下降線を辿りました。

Mt. Goxは顧客は外国人が多いのに渋谷に本社があります。そのため投資家の間では「天下の日本政府がなんとかしてくれる!」という一縷の望みもあったのですが、日本の金融当局は「一切介入も救済もしません」と丁重にお断りしています。当局の既成も束縛も受けない自由な通貨ビットコインの趣旨が裏目に出たかたち。

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