2013年12月28日土曜日

「ウェブのビジュアル化」の思いがけない大勝利

百読は一見にしかず。ウェブもアプリもこのトレンドが止まらない

2013年の主役は画像コンテンツであった。自分撮り(selfie)、ミーム(meme)、ピンといった画像コンテンツにまつわる単語は今年一年で一気に広まり、Pinterest、Instagram、Tumblrといったテキストよりも写真を強調するソーシャルサイトが大ヒットした。こうしたビジュアル系サイトはユーザーだけではなく投資家の人気も多いに集め、巨額の企業評価を獲得することとなった。

以前はこの「ウェブのビジュアル化」を一過性のトレンドだと考える人も少なくなかった。その考えが誤りであったことをテクノロジー業界に認めさせる結果となった、今年の主要な出来事を以下に紹介したい。

数十億ドルの買収劇

2012年の初めにフェイスブックが10億ドルでInstagramを買収した際には、多くの人々がザッカーバーグは頭がおかしくなったのだと思った。収益がゼロに近い写真共有サイトにこれだけの巨額な資金をつぎ込むのはとてもじゃないが割に合わないと考えるのが道理だからだ。

しかし今思えば、フェイスブックには先見の明があったことになる。2013年の現在、10億ドルという値段はビジュアル系ウェブサイトの標準価格となっている。今年の5月にヤフーはTumblrを11億ドルで買収したし、2月から10月にかけて行われたPinterestへの投資も、25億~38億ドルと査定された同社の企業評価を基準に行われている。

長い年月を重ねたテクノロジー企業たちは、この新しいトレンドである「ウェブのビジュアル化」への投資を、企業イメージとユーザー層の双方を若返らせる最適な方法と捉えているのだ。

手軽なモバイル・アクセスが人気

ティーンエイジャーに人気のビジュアル系ソーシャル・ネットワーク「We Heart It」はモバイルからの利用が主流で、一度もデスクトップ用のサイトを訪れたことがないユーザーが2/3を占めるという。「テキスト、画像、動画のうち、作るのも見るのも一番簡単なのは画像です」とWe Heart ItのCEOラナ・エドリンは語っている。「100件のツイートを読むよりも100枚の写真を見るほうがはるかに早いでしょう」

ビジュアル系ウェブサイトの多くは、デスクトップ用のサイトよりモバイル・サイトのほうが洗練されている。最も顕著な例はInstagramだろう。デスクトップ用のウェブサイトはモバイルアプリの基本機能だけを備えた骨組み状態で、トラフィックの大半もモバイル経由となっている。

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