2013年12月25日水曜日

「全てのドラクエに堀井雄二さんがいる」――キーマンが語る「ドラゴンクエスト」のスマホ展開(前編)

 人気RPG「ドラゴンクエスト」(以下、ドラクエ)シリーズのナンバリングタイトルをスマートフォンで本格展開すると公表したスクウェア・エニックス。先着100万ダウンロード限定で無料配信した初代ドラクエ(以下、ドラクエI)は、初日で100万ダウンロードを達成し、12月10日まで無料期間を延長。12月2日時点では累計ダウンロード数は300万を超えたという。

 多くの人にインパクトを与えた人気タイトルのスマホ展開について、同社の「ドラゴンクエスト」シリーズエグゼクティブプロデューサー 三宅有氏、アプリ版「ドラゴンクエスト」シリーズプロデューサー 藤本則義氏の2人に話を聞いた。スマホ展開の狙いや無料配信を決断した理由、さらにユーザーからの声が多かったユーザーインタフェース(UI)などの仕様面まで、気になる質問にも答えてくれた。前編では、主にゲーム作りの面で話を聞いている。

●UIはあらゆる可能性を試した

――(聞き手、ITmedia) ドラクエIは無料配信ということもあり、ユーザーの反響がすごかったですね。さまざまな反応がありましたが、どう思いましたか。

三宅氏 ユーザーの皆さんの遊び方はさまざまなので、今回に限らず新作のたびにいろんな反応があります。そんな中でドラクエを提供する上でいつも心がけているのが、できるだけ多くのユーザーの皆さんが一番遊びやすいものを1つ提供することです。

藤本氏 UIもあらゆる可能性を試して、これが一番分かりやすいだろうというものを堀井雄二さんも含めて決めています。全部のパターンを用意すればいいという議論もあるんですが、それはユーザーに責任を転嫁しているだけで。それはやりたくないので、しっかり作り込んだものを提供しています。

―― 特にユーザーからの反響が大きかったバーチャル十字キーについては、現在の形になるまでどういった経緯があったんですか。

三宅氏 ドラクエIはもともとシンプルなものなので、あまりいじれないんですよ。まず、最近の若いユーザーの方だと4方向にしか動けないこと自体が驚きなんだと思います。キャラが斜めに動けない(笑)。

藤本氏 十字キーもいろんなパターンを考えていて、最初は画面のどこをタップしてもそこに十字キーが付いてくるようにしたりしていました。ただ結局どれも一長一短で、試行錯誤を経て今の形になりました。

●スマホで重要なのは、片手での操作性

―― 縦向き画面を採用した理由は何ですか。

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