2013年12月29日日曜日

ソシャゲー会社社員が明かす、業界の裏側~24時間呼び出し、サービス残業で体調壊し退職…

 2013年10月に、ソーシャルゲーム(ソシャゲー)大手のグリーが200名の希望退職者を募ったことは記憶に新しい。一方で、ゲーム業界をメインとする転職エージェント「WORKPORT」の調査によれば、ソシャゲーの市場規模は、12年度に約5400億円だったのが、17年には約7700億円に拡大すると見込まれている。転職市場での求人案件を見ていると、提示年俸が概ね400万円以上と悪くない金額だ。一方で、ソシャゲー業界で働くうちに体を壊して退職する人も少なくない。今回は、そんなソシャゲー業界の実態について、実際に業界で働き、現在は病気療養中のS氏に話を聞いた。●24時間365日仕事三昧が当たり前

 S氏は、現在30代前半で、ソシャゲー業界の勤務経験は2年。前職はITコンサルティング会社で金融機関向けの業務系システム開発を5年ほど行っていた。システム畑出身で、長時間労働や不規則な労働時間に慣れていたS氏だが、今は体を壊して自宅療養中で、転職を考えているとのこと。

--ソシャゲー業界に転職しようと思った、きっかけを教えてください。

S氏 人を喜ばせる楽しいものづくりがしたかったからです。前職では、金融機関の業務システム開発で、大規模なデータを扱っており、やりがいはあったのですが、面白みがなかったのです。

--金融系の開発ですか。では、年収は下がったのではないですか?

S氏 下がりました。半分くらいにはなりましたが、それでもゲームづくりの魅力が上回り、ソシャゲー業界への転職を決意しました。

--仕事環境はいかがでしたか?

S氏 ソシャゲーのサービスは24時間提供しているので、トラブルがあれば昼夜問わず呼び出されました。しかも、休日のほうがユーザーがよくプレイするので、その分、呼び出しも多くありました。

--24時間のサービスだと、運用監視専門の担当者がいるのではないですか?

S氏 もちろんいます。しかし、ゲームの仕組みがわかるのは、結局つくった本人だけなんです。1つのイベントには、担当が1人だけなので、ほとんど対応することになります。

--イベントとはなんでしょうか?

S氏 イベントというのは、通常進行のゲーム中に発生する特別なゲームのことです。イベントを進めていった先にいるボスを倒せば、アイテムがもらえたりします。

--なるほど。そんなイベントの管理で、休日も呼び出されるわけですね。ちなみに、年収が450万円くらいとのことですが、これは残業代込みということでしょうか?

S氏 そうです。

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