2013年11月25日月曜日

HTML5は一度墜落・炎上したが、今再び飛び立とうとしている

HTML5はすべてを変えるはずだった。一度は失敗したが、必ずや復活するだろう。

2010年4月にスティーブ・ジョブズは「Flashに対する考え」と題した公開状を発表した。その中で彼は「モバイルの時代にはHTML5のような次世代のオープンスタンダード技術が勝利する」と明言している。フェイスブックもその後「プロジェクト・スパルタン」と呼ばれる構想を発表し、フェイスブックアプリをすべてHTML5で作ると公表してジョブズの考えに追随した。

HTML5とは皆が渇望した聖杯であった。一度コーディングするだけであらゆる場所での動作を保証してくれる、次世代の偉大な統一的技術だったのである。

HTML5に対する過剰な期待

こうして盛大なスタートを切ったHTML5は、W3C(ワールドワイド・ウェブ・コンソーシアム、ウェブの標準策定を行っている国際的な団体)によってその仕様が公表され、ほとんど全てのブラウザに採用されることとなった。

2011年から2012年の間には多くのベンチャー企業が出版から金融までカバーする幅広い業界でHTML5を使った主力商品を作り始め、彼らはHTML5の先駆者として多くの投資家の関心と資金を集めた。

この頃によく議論されたのは、ネイティブ・アプリとHTML5のどちらがモバイルの覇者となるかということだった。当時はどちらかが完全勝利をおさめ、敗れた者は消滅するのだという極端な見解が一般的であった。

2012年の夏になると、フェイスブックはパフォーマンスを理由として、HTML5ベースだった自身のモバイルアプリをネイティブに書き換える。それはプロジェクト・スパルタンの終焉を意味していた。その後フェイスブックのCEOであるマーク・ザッカーバーグはインタビューにおいて「HTML5に全てを捧げてネイティブを無視したことは大きな間違いだった。」と明かしている。その一言でHTML5はいわゆる「クールさ」を失ってしまい、ネイティブ 対 HTML5の戦いはネイティブがK.O.勝ちした形となった。HTML5は終わった!ネイティブ万歳!となったわけだ。

期待から失望へ

HTML5がこれまで辿ってきた期待から失望への流れは、インパクトのある新しい技術によく見られる傾向である。本当のところ、HTML5はまだ終わってなどいない。ガートナー・リサーチ社はこのような新たな技術の普及パターンを「ハイプ・サイクル」と題している。

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